講演情報
[P1-4]肛門部Bowen病の1例
小關 優歌, 宇多川 大輔, 橋本 健夫, 鈴木 慶一, 尾曲 健司 (国立病院機構栃木医療センター)
症例は89歳女性。1年程前からアルツハイマー型認知症のため他院で療養入院されていた。入院時より肛門に隆起性病変を認めており、痔核疑いとして経過観察されていた。しかし、徐々に病変部の拡大を来し、1ヵ月程前から疼痛や出血を来すようになり注入軟膏を使用するも改善がないため紹介となった。肛門部には全周性に境界明瞭な赤褐色な湿疹様の皮疹を認め、肛門縁にも及ぶ大きな病変であった。生検でBowen’s disease(SCC in situ)の診断となった。病変は水平および垂直に約6mmのマージンをとり切除し、ADLを考慮し人工肛門造設の手術とした。病理診断では陰性を確認したが、一部は表皮のほぼ全層に及んでおり初期の浸潤を否定できない所見であった。
肛門部Bowen病は肛門部に発生する悪性腫瘍のうち2~10%とされ、非常に稀な疾患である。Bowen 病は有棘細胞由来の表皮内癌であり、表皮基底層を超え深在性となる場合Bowen 癌と呼ばれる。今回われわれは肛門部Bowen病の1例を経験したので、文献的考察を交えて報告する。
肛門部Bowen病は肛門部に発生する悪性腫瘍のうち2~10%とされ、非常に稀な疾患である。Bowen 病は有棘細胞由来の表皮内癌であり、表皮基底層を超え深在性となる場合Bowen 癌と呼ばれる。今回われわれは肛門部Bowen病の1例を経験したので、文献的考察を交えて報告する。