講演情報
[P12-1]当院における大腸穿孔の短期成績の検討
西成 悠1, 大塚 歓喜2, 佐々木 智子1, 加藤 久仁之3 (1.盛岡赤十字病院外科, 2.岩手県立千厩病院外科, 3.ふるだて加藤肛門外科クリニック)
【背景】結腸穿孔の原因は癌,結腸憩室,炎症性腸疾患,感染性腸炎,医原性などがあり,特に結腸憩室による穿孔症例の報告は本邦ではS状結腸が多い.当院では結腸穿孔に対し,高度循環不全や活動性出血など緊急開腹手術が必要な症例以外は,審査腹腔鏡として腹腔鏡手術をFirst choiceとしている.結腸穿孔は糞便の流出が多い場合もあり,重篤な腹膜炎から敗血症性ショックへ至るリスクも有り,術後管理も非常に重要になる.今回当院における結腸穿孔手術の検討を行った.
【対象と方法】外傷・血流障害・医原性・非手術選択を除外した2020年1月から2024年12月までの結腸穿孔症例18例で,短期成績の検討を行った.
【結果】年齢は69歳,性別は男:女 8:10,BMIは22.5であった.術前SOFA scoreは中央値1点,qSOFA scoreは中央値1で,術後人工呼吸器装着日数は6日,術後日数は27日であった.死亡退院は2例で終末期による癌死,敗血症性ショックによる死亡であった.穿孔部位は回腸末端・盲腸:上行結腸:S状結腸:直腸Rsで 1:1:15:1でS状結腸に多く,腹膜炎の程度は限局13例,汎発5例,手術時間は146分,出血量は25mlであった.術式は開腹手術5例,開腹移行1例,腹腔鏡下手術12例で,右側結腸の2例を除き人工肛門造設を要した.
【考察】腹腔鏡下手術は腹腔内の観察の詳細ができることと創の縮小化から侵襲性の軽減に至ることが利点である.またHartmann reversalにおいても腹腔内の癒着の軽減を行える利点はあるものの,蠕動麻痺による視野確保困難や技術的難易度の上昇等があり,全症例に施行できるわけではない.当院の症例も視野確保困難の1例で開腹移行をしているため,適応症例と執刀医の厳選は必要と考える.
【結語】結腸穿孔に対し腹腔鏡下手術は,患者状態が許せば緊急手術でも許容可能な手術手技の一つとして検討可能と思われる.
【対象と方法】外傷・血流障害・医原性・非手術選択を除外した2020年1月から2024年12月までの結腸穿孔症例18例で,短期成績の検討を行った.
【結果】年齢は69歳,性別は男:女 8:10,BMIは22.5であった.術前SOFA scoreは中央値1点,qSOFA scoreは中央値1で,術後人工呼吸器装着日数は6日,術後日数は27日であった.死亡退院は2例で終末期による癌死,敗血症性ショックによる死亡であった.穿孔部位は回腸末端・盲腸:上行結腸:S状結腸:直腸Rsで 1:1:15:1でS状結腸に多く,腹膜炎の程度は限局13例,汎発5例,手術時間は146分,出血量は25mlであった.術式は開腹手術5例,開腹移行1例,腹腔鏡下手術12例で,右側結腸の2例を除き人工肛門造設を要した.
【考察】腹腔鏡下手術は腹腔内の観察の詳細ができることと創の縮小化から侵襲性の軽減に至ることが利点である.またHartmann reversalにおいても腹腔内の癒着の軽減を行える利点はあるものの,蠕動麻痺による視野確保困難や技術的難易度の上昇等があり,全症例に施行できるわけではない.当院の症例も視野確保困難の1例で開腹移行をしているため,適応症例と執刀医の厳選は必要と考える.
【結語】結腸穿孔に対し腹腔鏡下手術は,患者状態が許せば緊急手術でも許容可能な手術手技の一つとして検討可能と思われる.