講演情報
[P13-1]直腸脱に対する当院での治療方針
小林 康雄1, 岡本 欣也2, 笹口 政利1, 谷川 文1 (1.誠心会吉田病院外科大腸肛門外科, 2.東京山手メディカルセンター大腸肛門外科)
【背景】当院では諸事情から全身麻酔ができず直腸固定術が不能なため、直腸脱に対しては経肛門的手術のみを施行している。以前はGant三輪法やDelorme法そしてその各々にThiersch法を併施する方法を行ってきたが、再発率が高いことを鑑み現在は直腸固定術が可能な施設へ紹介することを基本方針としている。
しかしながら直腸脱は高齢女性に多く合併症を抱えていることも少なくないため、すぐに直腸固定術を行えるとは限らない。そのため直腸固定の前段階処置として経肛門的手術を先行して行うことには一定の意義がある。
【当院での治療】Thiersch法(単独)は、粘膜縫縮(切除)術を併施する場合と比較すると、再発率がやや高いものの出血等の有害事象の懸念がない。また非常に簡便であることから、当院では現在経肛門的手術としてはThiersch法(単独)を主に採用している。素材として、伸縮性ポリエステルテープ[Leeds-Keio mesh]を使用。
(※)基本的には上記を行っているが例外的に、脱出が軽微な症例では(僅かながら根治を期待して)ゴム輪結紮を追加併施する場合が稀にある。
【現状、まとめ】経肛門的手術の再発率は、20~60%とやはり非常に高い。ただし僅かながら永続的に再脱出せずに保たれている症例も一定数いることも事実ではある。
粘膜縫縮(除去)術に比較して再発率が極端に劣ることがなければ許容される可能性があるが、さらに症例を重ねながら検討したい。
しかしながら直腸脱は高齢女性に多く合併症を抱えていることも少なくないため、すぐに直腸固定術を行えるとは限らない。そのため直腸固定の前段階処置として経肛門的手術を先行して行うことには一定の意義がある。
【当院での治療】Thiersch法(単独)は、粘膜縫縮(切除)術を併施する場合と比較すると、再発率がやや高いものの出血等の有害事象の懸念がない。また非常に簡便であることから、当院では現在経肛門的手術としてはThiersch法(単独)を主に採用している。素材として、伸縮性ポリエステルテープ[Leeds-Keio mesh]を使用。
(※)基本的には上記を行っているが例外的に、脱出が軽微な症例では(僅かながら根治を期待して)ゴム輪結紮を追加併施する場合が稀にある。
【現状、まとめ】経肛門的手術の再発率は、20~60%とやはり非常に高い。ただし僅かながら永続的に再脱出せずに保たれている症例も一定数いることも事実ではある。
粘膜縫縮(除去)術に比較して再発率が極端に劣ることがなければ許容される可能性があるが、さらに症例を重ねながら検討したい。