講演情報
[P13-5]LARSに対する外科的アプローチの検討
大谷 剛, 竹原 裕子, 工藤 泰崇, 赤在 義浩 (岡山済生会総合病院外科)
[背景]ロボット手術の増加に伴い、肛門温存手術(SPO)も増加傾向にある。LARSは術後QOLを低下させる合併症であり、SPOの増加に伴い対象患者も増加していると考えられるがLARSの治療法は確立していない。当院では2022年3月より超低位前方切除術(uLAR)後のLARS対策の手技の工夫としてIMA low ligation、DS造設例では早期閉鎖に加え、肛門括約筋間剥離後、剥離によって開大し短縮した機能的肛門括約筋間長の再建を目的に外肛門括約筋の縫縮する手技Anterior Anal Repair(AAR)を付加している。また同時期より直腸癌手術患者に対して骨盤底筋訓練(PFMT)や食事指導を開始した。当院におけるLARS対策の有用性を検証する。
[対象・方法]2020年1月から2025年3月までにロボット支援下直腸切除術を施行した144例のうち術前放射線治療症例を除くuLAR症例でかつLARS score, CCFIS, FIQLのアンケート調査に協力が得られた症例を対象とし、アンケートを術前、術後6か月、術後1年時に施行した。手術加療のみのsurgery alone群(S群4例)とAAR+PFMT+栄養指導のLARS対策群(L群8例)で後方視的に検討した。
[結果]患者背景はS群/L群 年齢中央値(歳)70/62.5 性別 M:F 2:2/7:1吻合高(㎝)2.25/2.75、DS造設(+/-)3/1:5/3、LLND(+/-)2/2:1/7であり両群間に有意差は認めなかった。S群/L群のアンケート調査の結果は,LARS score;術36/28.5,術後6か月34/35,術後1年36.5/34,CCFIS;術前4.5/0.5,術後6か月14/9,術後1年14.5/8,FIQL総スコア;術前3.7/3.85,術後6か月2.1/3.4,術後1年2.15/3.5, lifestyle術前4/4,術後6か月2.3/3.65,術後1年2.05/3.7,coping術前3.5/3.85,術後6か月1.6/2.85,術後1年2.05/3.15,depression術前3.6/3.65,術後6か月3.0/3.85,術後1年2.9/3.8, embarrassment術前3.85/3.85,術後6か月2.7/3.5,術後1年2.9/3.5であった。
[考察]LARS scoreでは効果を反映する結果は得られなかったが、CCFIS術後6か月、FIQLembarrassment術後6か月で有意にL群が良好であり、その他の術後各項目のいずれにおいてもL群において良好な結果が得られていた。今後さらなる症例の蓄積を行い、検討を行っていく必要がある。
[対象・方法]2020年1月から2025年3月までにロボット支援下直腸切除術を施行した144例のうち術前放射線治療症例を除くuLAR症例でかつLARS score, CCFIS, FIQLのアンケート調査に協力が得られた症例を対象とし、アンケートを術前、術後6か月、術後1年時に施行した。手術加療のみのsurgery alone群(S群4例)とAAR+PFMT+栄養指導のLARS対策群(L群8例)で後方視的に検討した。
[結果]患者背景はS群/L群 年齢中央値(歳)70/62.5 性別 M:F 2:2/7:1吻合高(㎝)2.25/2.75、DS造設(+/-)3/1:5/3、LLND(+/-)2/2:1/7であり両群間に有意差は認めなかった。S群/L群のアンケート調査の結果は,LARS score;術36/28.5,術後6か月34/35,術後1年36.5/34,CCFIS;術前4.5/0.5,術後6か月14/9,術後1年14.5/8,FIQL総スコア;術前3.7/3.85,術後6か月2.1/3.4,術後1年2.15/3.5, lifestyle術前4/4,術後6か月2.3/3.65,術後1年2.05/3.7,coping術前3.5/3.85,術後6か月1.6/2.85,術後1年2.05/3.15,depression術前3.6/3.65,術後6か月3.0/3.85,術後1年2.9/3.8, embarrassment術前3.85/3.85,術後6か月2.7/3.5,術後1年2.9/3.5であった。
[考察]LARS scoreでは効果を反映する結果は得られなかったが、CCFIS術後6か月、FIQLembarrassment術後6か月で有意にL群が良好であり、その他の術後各項目のいずれにおいてもL群において良好な結果が得られていた。今後さらなる症例の蓄積を行い、検討を行っていく必要がある。