講演情報
[P17-1]ロボット支援回盲部切除術において内側アプローチ変法は許容されるか
美甘 麻裕1, 杉原 守1, 岩瀨 友哉1, 高木 徹1, 立田 協太1, 杉山 洸裕1, 赤井 俊也1, 深澤 貴子2, 竹内 裕也1 (1.浜松医科大学外科学第二講座, 2.磐田市立総合病院消化器外科)
【背景】当院では腹腔鏡下回盲部切除術において、十二指腸下行脚外側の間膜を切開し、十二指腸を損傷せずに確実に同定することを目的とした内側アプローチ変法を採用してきた。
【目的】腹腔鏡手術で実施してきた内側アプローチ変法が、ロボット支援回盲部切除術においても安全かつ有効な手技として許容されるかを検討した。
【方法】2023年4月よりロボット支援回盲部切除術を導入し、内側アプローチ変法、従来の内側アプローチ、後腹膜アプローチの3手技を適宜選択して施行した。各アプローチの操作性、安全性、習得の容易さを比較検討した。
【結果】内側アプローチ変法は、十二指腸を確実に同定できるため損傷リスクの回避に有効であった。一方、ロボットをドッキングした状態では術中の体位変換が困難であり、小腸排除に苦慮する症例があった。後腹膜アプローチは、ロボット導入前に小腸を完全に左側へ排除できるため、回盲部の授動は比較的容易であったが、十二指腸がどのタイミングで露出するかを慎重に見極める必要があり、特に初学者には注意を要した。従来の内側アプローチでは、再度回盲部を授動する必要がある点や、十二指腸の同定に苦慮する場面があった。
【考察】ロボット支援手術は視野や操作性に優れ、学習曲線が比較的短いことから若手外科医の導入が進んでいるが、高難度新規医療技術として安全な導入と実施が強く求められる。非ハイボリュームセンターにおいては、回盲部切除やS状結腸切除術などの標準的な症例を通じて基礎技術を確実に習得し、複数のアプローチ法を経験することで、将来的に腫瘍の浸潤や癒着を伴う困難症例にも柔軟に対応できるようになると考える。
【結語】ロボット支援回盲部切除術において、内側アプローチ変法は若手外科医にとっても安全かつ実用的な選択肢であり、十分に許容される手技である。
【目的】腹腔鏡手術で実施してきた内側アプローチ変法が、ロボット支援回盲部切除術においても安全かつ有効な手技として許容されるかを検討した。
【方法】2023年4月よりロボット支援回盲部切除術を導入し、内側アプローチ変法、従来の内側アプローチ、後腹膜アプローチの3手技を適宜選択して施行した。各アプローチの操作性、安全性、習得の容易さを比較検討した。
【結果】内側アプローチ変法は、十二指腸を確実に同定できるため損傷リスクの回避に有効であった。一方、ロボットをドッキングした状態では術中の体位変換が困難であり、小腸排除に苦慮する症例があった。後腹膜アプローチは、ロボット導入前に小腸を完全に左側へ排除できるため、回盲部の授動は比較的容易であったが、十二指腸がどのタイミングで露出するかを慎重に見極める必要があり、特に初学者には注意を要した。従来の内側アプローチでは、再度回盲部を授動する必要がある点や、十二指腸の同定に苦慮する場面があった。
【考察】ロボット支援手術は視野や操作性に優れ、学習曲線が比較的短いことから若手外科医の導入が進んでいるが、高難度新規医療技術として安全な導入と実施が強く求められる。非ハイボリュームセンターにおいては、回盲部切除やS状結腸切除術などの標準的な症例を通じて基礎技術を確実に習得し、複数のアプローチ法を経験することで、将来的に腫瘍の浸潤や癒着を伴う困難症例にも柔軟に対応できるようになると考える。
【結語】ロボット支援回盲部切除術において、内側アプローチ変法は若手外科医にとっても安全かつ実用的な選択肢であり、十分に許容される手技である。