講演情報

[P17-4]当科におけるロボット支援右側結腸癌切除時の体腔内吻合の定型化に向けて

八幡 和憲, 山田 遼, 河合 純兵, 村瀬 佑介, 田中 秀治, 丹羽 真佐夫, 今井 健晴, 棚僑 利行, 佐々木 義之, 奥村 直樹, 山田 誠 (岐阜市民病院外科)
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【目的】結腸癌に対するロボット手術は2022年4月に保険適応となり、当科でも2024年6月より結腸癌に対するロボット手術を導入した。また結腸癌手術時における体腔内吻合は腸管授動範囲を必要最小限にでき、術後腸管蠕動回復が早いなどメリットがある一方、高難度の手技であり手技の定型化が重要である。当科でも2025年1月からロボット手術における体腔内吻合を開始したのでその定型化に向けての導入初期の成績を報告する。
【方法】
2025年4月までに当院にて右側結腸癌に対してロボット支援下に切除を行った計16例において、体腔内吻合を行った6例につき検討を行った。
【結果】年齢中央値81歳、男女比3:3で、体腔内吻合は全てDelta吻合にて施行しており自動縫合器は左下腹部の助手用ポートより挿入しており、全てSigniaを用いて助手がステイプリングを行っていた。自動縫合器のカートリッジ使用本数は1例のみ5本を要したがそれ以外は4本で施行できていた。初期の3例は体腔外吻合も可能となるよう臍に小開腹を置き標本を摘出していたが、その後の3例はPfannenstiel切開にて小開腹を置き、同部より標本摘出していた。手術時間(以下全て中央値)は280分、コンソール時間は202分、吻合に要した時間は20分であり、出血量は3.45mlと比較的少なかった。排ガスまでに要した日数は1.5日で、術後在院日数は9日であり、また術後合併症はClavian-Dindo分類Ⅲ以上のものは認めなかった。
【結語】当科の右側結腸癌に対するロボット手術における体腔内吻合の導入初期におけ短期成績を検討した。手術時間はやや要したものの術後経過は良好であり比較的安全に施行できていた。