講演情報
[P17-5]結腸腫瘍におけるロボット支援下手術の短期成績―propensity score matchingを用いた腹腔鏡下手術との比較―
荒川 敏1,2, 花井 恒一2, 加藤 宏之2, 永田 英俊2, 近藤 ゆか2, 志村 正博2, 小池 大助2, 多代 尚広2, 東口 貴彦2, 国村 祥樹2, 谷 大輝2, 堀口 和真2, 佐藤 美信2, 加藤 悠太郎2, 石原 慎1,2, 伊東 昌広2, 堀口 明彦2 (1.藤田医科大学医学部医学教育開発学, 2.藤田医科大学ばんたね病院消化器外科)
【背景】2022年4月にロボット支援下結腸悪性腫瘍切除術が保険収載された。当院では2023年9月からda Vinci Xiシステムを用いたロボット支援下手術を導入している。【目的】結腸腫瘍に対するロボット支援下手術の短期成績を明らかにする。【対象と方法】2023年9月から2024年12月までに結腸切除術を施行され、データが抽出可能であった62例を対象とした。傾向スコアを算出後にマッチングを行い、腹腔鏡下(L)群20例、ロボット(R)群20例で手術時間、出血量、術後合併症発生の有無等の短期成績について比較検討した。マッチング因子として年齢、性別、BMI、循環器併存疾患、呼吸器併存疾患、糖尿病、占居部位、cT、cN、cMを用いた。【結果】年齢中央値69歳、男性37例、女性25例。BMI中央値22.63、占居部位はC:3例、A:22例、T:7例、D:7例、S:23例。深達度Tisまたは良性:2例、T1:7例、T2:8例、T3:37例、T4以深:8例。マッチング前はL群40例、R群22例。手術時間中央値はL群241分、R群310分(p<0.001)。出血量中央値はL群20ml、R群20ml。郭清リンパ節個数中央値はL群15個、R群14個、術後在院日数中央値はL群12日、R群10日であり、手術時間以外で差は認めなかった。propensity score-matchingを行い、CD分類Grade2以上の術後合併症発生はL群6例(30%)、R群3例(15%)で差は認めなかった。手術時間中央値はL群236分、R群317.5分で差を認めた(p=0.001)。出血量中央値はL群17.5ml、R群20ml、郭清リンパ節個数中央値はL群18個、R群14個、術後在院日数中央値はL群12日、R群10.5日であり差は認めなかった。またその他の因子で差は認めなかった。【結論】当院におけるロボット支援下手術の短期成績は腹腔鏡下と比較して手術時間は長くなるも、術後合併症発生等は同等であり、安全に導入することができた。