講演情報
[P18-3]当科におけるロボット支援直腸手術の術式と手術成績の変遷
馬場 研二1, 黒島 直樹1, 和田 真澄1, 盛 真一郎2, 喜多 芳昭3, 田辺 寛4, 有上 貴明1, 大塚 隆生1 (1.鹿児島大学消化器外科, 2.県立大島病院, 3.鹿児島市立病院, 4.今村総合病院)
【緒言】当科では2018年12月にDaVinci Xiシステムを用いてロボット支援直腸手術を導入した。2025年2月にはhinotoriを導入し、ロボット手術は増加の一途をたどる。
【目的】ロボット支援直腸手術の時代別の術式の変化や手術成績を検討する。
【対象・方法】2018年12月から2025年3月までの当科で施行したロボット手術症例161例中、結腸癌並びに他臓器合併切除症例を除く137例を対象に、2021年まで(前期群68例)と2022年以降(後期群69例)の2群に分け、手術成績を比較検討する。
【結果】前期群と後期群で年齢、性別、BMI、腫瘍径、pStageに差はなかったが、腫瘍局在はRS/Ra/Rb/Pが前期群1/11/53/3例、後期群11/14/42/2例と有意に前期にRbが多いという結果であった(P<0.05)。前期群・後期群の順に手術成績は中央値で手術時間は431分・351分、出血量は50ml・20ml、術後在院期間は7日・6日と有意差をもって後期群が良好であった。術者は前期1人であったのに対し、後期は4人であった。術式は前方切除が12例・27例、超低位前方切除が16例・27例、ISRが24例・8例、APRが16例・7例(p<0.01)やTaTMEが43例・16例(p<0.01)と前期群では経肛門的切除・吻合が有意に多かった。術後合併症Grade3以上は7例・6例と差はなかったが、Grade2以上は31例・16例(p<0.01)と有意に後半で減少した。
【まとめ】ロボット支援直腸手術は安全に導入できた。時間経過で術者の数が増える一方で、術式が変化し、ロボットのメリットを生かした超低位切除も可能となり、手術成績は向上した。
【目的】ロボット支援直腸手術の時代別の術式の変化や手術成績を検討する。
【対象・方法】2018年12月から2025年3月までの当科で施行したロボット手術症例161例中、結腸癌並びに他臓器合併切除症例を除く137例を対象に、2021年まで(前期群68例)と2022年以降(後期群69例)の2群に分け、手術成績を比較検討する。
【結果】前期群と後期群で年齢、性別、BMI、腫瘍径、pStageに差はなかったが、腫瘍局在はRS/Ra/Rb/Pが前期群1/11/53/3例、後期群11/14/42/2例と有意に前期にRbが多いという結果であった(P<0.05)。前期群・後期群の順に手術成績は中央値で手術時間は431分・351分、出血量は50ml・20ml、術後在院期間は7日・6日と有意差をもって後期群が良好であった。術者は前期1人であったのに対し、後期は4人であった。術式は前方切除が12例・27例、超低位前方切除が16例・27例、ISRが24例・8例、APRが16例・7例(p<0.01)やTaTMEが43例・16例(p<0.01)と前期群では経肛門的切除・吻合が有意に多かった。術後合併症Grade3以上は7例・6例と差はなかったが、Grade2以上は31例・16例(p<0.01)と有意に後半で減少した。
【まとめ】ロボット支援直腸手術は安全に導入できた。時間経過で術者の数が増える一方で、術式が変化し、ロボットのメリットを生かした超低位切除も可能となり、手術成績は向上した。