講演情報

[P18-4]ロボット支援下直腸切除術における直腸クランプ法: the simple clamping technique (SCT)

竹山 廣志, 植田 隆太, 堺 聡美, 橋爪 咲奈, 谷口 嘉毅, 林 覚史, 原 暁生, 浦野 尚美, 桂 宜輝, 田中 夏美, 吉岡 節子, 横内 秀起, 西川 和宏, 岡村 修 (市立吹田市民病院外科)
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【背景】鉗子の操作性が通常の腹腔鏡手術よりも良いとされるロボット支援腹腔鏡下直腸切除術においても、狭い骨盤内では鉗子の制限を受ける。特に、助手による鉗子操作は、体腔内外でロボット鉗子と干渉し、通常の腹腔鏡手術よりも操作に制限がかかる場面も多い。直腸のクランプは助手により行うことが多いが、狭く深い骨盤内では操作に難渋することも時折認める。我々は、直腸クランプ方法 simple clamping technique (SCT)を考案し日常臨床で使用している。SCTについて動画を供覧して報告する。
【手技】テンポラリー腸管クリップ(B Braun)のヒンジを吸収糸で結紮し、クリップを予め広げておく。直腸クランプまでの骨盤内操作では1st armにFenestrated Bipolar Forceps (FB)、3rd armにCurved Scissors (CS)、4th armにTIP-UP fenestrated grasper forceps (TIP-UP)を配置して操作を行う。SCTでは、1st armのFBと4th armのTIP-UPを入れ替える。TIP-UPを用いて直腸を把持・圧排して腸管を扁平にし、腸管クリップを把持力のあるFBを用いて挿入する。術者がCSを用いてもしくは助手が腹腔鏡鋏鉗子を用いて結紮糸を切離することで腸管クリップは腸管をクランプする。SCTの利点は、①全ての操作をロボットアームのみで行うことができ、狭い骨盤内で制限を受けにくい②追加の鉗子を必要とせずeco-friendlyおよびeconomical、である。【結語】ロボット支援下直腸切除術においてSCTによる直腸クランプは円滑に行うことが可能であった。