講演情報
[P19-2]集学的治療が奏功し、切除可能となった巨大直腸癌の1例
植嶋 千尋, 蘆田 啓吾, 牧田 大瑚, 津田 亜由美, 尾﨑 知博, 遠藤 財範, 建部 茂 (鳥取県立中央病院)
【はじめに】局所進行直腸癌に対しては集学的治療の有用性が報告されている.今回、左鼠径リンパ節転移、会陰浸潤を伴った巨大直腸癌に対して集学的治療を行い、根治的切除が可能となった1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する.
【症例】63歳女性.体動困難にて救急搬送となり、精査で膣・会陰浸潤、左鼠径リンパ節転移を伴う直腸癌を認めた.会陰部の疼痛が強く内服オピオイドを開始しつつ、放射線化学療法(Capecitabine 1800mg/day、放射線照射45Gy)を施行した.局所の縮小および全身状態の改善が得られたため、切除を念頭にCAPOX(カペシタビン 1800mg/day、オキサリプラチン160mg)を3コース追加で施行した.切除可能と判断し、ロボット支援下直腸切断術+膣合併切除+会陰再建+左鼠径リンパ節摘出を施行、根治的切除が得られた.術後骨盤死腔炎、皮弁壊死を来したが保存的に軽快し術後94日目に退院となった.病理結果はadenocarcinoma(muc>tub2)、ypT4a、ypN1c(左鼠径リンパ節転移)、R0、CurA、M0, ypStageⅢC、薬物・放射線治療の効果判定はGrade2であった.遺伝子検査はRAS変異型、BRAF野生型、MSI陰性であった.術後補助化学療法は施行せず、外来で経過観察を行なっていたが、術後11ヶ月目の検査で骨盤内に局所再発を認めた.全身状態も良好であったため、FOLFIRI+Ramucirumab療法を開始し、その後IRIS+Bevacizumab療法に変更し、治療を継続している。現在術後2年6ヶ月経過しているが、腫瘍は縮小を維持しており、QOLも良好に保たれている.
【考察】当初切除不能と考えられた局所進行直腸癌症例であったが、集学的治療と疼痛コントロールなどの全身管理が奏功し、R0切除が可能となった。残念ながら局所再発を来たしたが、全身状態は良好であり、その後も化学療法を行うことが可能で、再発巣も縮小維持が得られており、患者満足度も高かった。
【おわりに】集学的治療が奏功し、切除可能となった局所進行直腸癌を経験した。当初、切除不能と判断されても、全身状態が許容すれば、切除を含めた積極的な治療が有効であると考えられた。
【症例】63歳女性.体動困難にて救急搬送となり、精査で膣・会陰浸潤、左鼠径リンパ節転移を伴う直腸癌を認めた.会陰部の疼痛が強く内服オピオイドを開始しつつ、放射線化学療法(Capecitabine 1800mg/day、放射線照射45Gy)を施行した.局所の縮小および全身状態の改善が得られたため、切除を念頭にCAPOX(カペシタビン 1800mg/day、オキサリプラチン160mg)を3コース追加で施行した.切除可能と判断し、ロボット支援下直腸切断術+膣合併切除+会陰再建+左鼠径リンパ節摘出を施行、根治的切除が得られた.術後骨盤死腔炎、皮弁壊死を来したが保存的に軽快し術後94日目に退院となった.病理結果はadenocarcinoma(muc>tub2)、ypT4a、ypN1c(左鼠径リンパ節転移)、R0、CurA、M0, ypStageⅢC、薬物・放射線治療の効果判定はGrade2であった.遺伝子検査はRAS変異型、BRAF野生型、MSI陰性であった.術後補助化学療法は施行せず、外来で経過観察を行なっていたが、術後11ヶ月目の検査で骨盤内に局所再発を認めた.全身状態も良好であったため、FOLFIRI+Ramucirumab療法を開始し、その後IRIS+Bevacizumab療法に変更し、治療を継続している。現在術後2年6ヶ月経過しているが、腫瘍は縮小を維持しており、QOLも良好に保たれている.
【考察】当初切除不能と考えられた局所進行直腸癌症例であったが、集学的治療と疼痛コントロールなどの全身管理が奏功し、R0切除が可能となった。残念ながら局所再発を来たしたが、全身状態は良好であり、その後も化学療法を行うことが可能で、再発巣も縮小維持が得られており、患者満足度も高かった。
【おわりに】集学的治療が奏功し、切除可能となった局所進行直腸癌を経験した。当初、切除不能と判断されても、全身状態が許容すれば、切除を含めた積極的な治療が有効であると考えられた。