講演情報

[P22-4]局所進行直腸癌(LARC)に対するS-1/CPT-11と短期放射線治療(SCRT)を用いた短期化学放射線療法(SCCRT)にCAPOXを加えたTNT

横田 和子1, 柴木 俊平1, 池村 京之介1, 渡部 晃子1, 坂本 純一1, 小嶌 慶太1, 田中 俊道1, 横井 圭悟1, 古城 憲1, 三浦 啓壽1, 山梨 高広1, 佐藤 武郎2, 内藤 剛1 (1.北里大学医学部下部消化管外科学, 2.北里大学医学部附属医学教育研究開発センター医療技術教育研究部門)
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【背景・目的】
LARCに対する安全で効果的でさらに患者の負担の少ない治療法の開発を目指し,S-1/CPT-11とSCRTを用いたSCCRTにCAPOXを加えたTNTを計画し,SCCRTにおけるCPT-11の最適容量を決定するため第I相試験を行った.
【対象・方法】
cT3-4cN0-2cM0のLARCを対象とし,S-1(60mg/m2; Day1-5, Day8-12),CPT-11(40 or 50 or 60mg/m2; Day1, 8)を投与し,Day8-12に5Gy×5回のSCRTを行い,その後CAPOXを3コース行った.SCRT終了後14日以内のClavien-Dindo(CD)分類 IV以上の血液学的毒性,III以上の発熱性好中球減少症,血小板減少,非血液学的毒性の有無を調査した.治療効果判定はSCRT終了後12-16週に行い,clinical Complete Response (cCR),near CR(nCR)であった症例はNon Operative Management(NOM)を検討し,incomplete CR (iCR) であった症例は手術を行った.
【結果】
男性/女性が9/5例,年齢の中央値は66歳,cT3/4が11/3例,cN0/1/2が9/3/2例であった.CPT-11は40mg/m2を6例,50mg/m2を5例,60mg/m2を3例に投与され,全例SCRTが行われた.CD分類IIIの下痢をCPT-11 40mg/m2 で1例,50mg/m2 で2例,60mg/m2では全例認め,60mg/m2を最大耐容容量,50mg/m2を推奨容量と判断した.CD分類VI以上の血液学的毒性や,下痢以外のCD分類III以上の有害事象は認めず,治療の休止・減量もなく,全例CAPOXが行われた.cCR/nCR/iCRが1/4/7例で,NOMは4例,手術は8例に行われ,全例R0手術が可能で,pCRは2例であった.
【結語】
LARCに対するS-1/CPT-11とSCRTを用いたSCCRTにおけるCPT-11は50mg/m2で安全に施行できた.