講演情報
[P23-4]当施設のStageⅣ大腸癌の治療戦略
佐村 博範, 新垣 淳也, 堀 義城, 山城 直嗣, 藤井 克成, 宮城 由衣, 原田 哲嗣, 本成 永, 金城 直, 伊禮 俊充, 亀山 眞一郎, 古波倉 史子, 長嶺 義哲, 伊志嶺 朝成 (浦添総合病院)
【はじめに】StageⅣ大腸癌には初診時に治癒切除可能な症例から治癒切除不能な症例まで幅広い範囲の症例が含まれる。【対象・方法】A)治癒切除可能症例:遠隔転移の個数にもよるが基本的にNACを施行している。Regimenは主にTriplet+分子標的薬を用い、8-12コース施行後手術を計画している。B)治癒切除不能症例:主にTriplet+分子標的薬の化学療法を施行。基本12コースまでに治癒切除の可能性がなければ維持療法に移行。画像評価毎に切除不能病変が放射線療法の対象となるか検討を重ね、対象となる場合は化学療法と並行して放射線療法を施行する。また、治癒切除不能でも原発その他を切除することでoligo-metaの状態となるか検討しoligo-metaの状況が作れるようであれば手術を施行後、放射線療法を計画する。B)症例では高率に再発をきたすためclosed follow-upを行い適宜加療することで再度R0を目指している。【結果】2018年から2022年に治療を開始したB)12症例にconversion Surgery(CS)目的で治療施行し、6例でCSができた。年齢は51歳(43-76)で全例女性であった。非治癒因子は1例が膨大動脈リンパ節転移(PALNM)で5例は肝転移H3であった。Regimenは分子標的薬+Triplet5例、Doublet1例であった。H3の1例は放射線療法を併用し、PALNMにはTNTを施行し原発巣切除術を施行した。観察期間の中央値は44か月で、4例で術後3か月で再発を認めた。残肝再発が2例で1例は再切除+放射線療法でcCRの状態である。1例は化学療法、重粒子線治療+放射線治療を繰り返したがROから36ヶ月で死亡した。肺転移の1例は治癒切除出来、1例は化学療法を施行したが無効不耐となりR0から22ヶ月で死亡した。現在4例は非担癌状態で加療なしで経過している。【結語】StageⅣ大腸癌は治癒切除可能な状態であっても微小転移の根絶を図ることが肝要で治癒切除不能例には強力な化学療法と放射線療法を駆使しCSを目指し、術後再発には都度適切な加療を選択することで長期予後が得られる可能性がある。