講演情報
[P27-3]上行結腸mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)の異時性肝転移再発に対して肝外側区域切除を施行し、再発手術後から18ヵ月間無再発生存の1例
渡邉 夕樹, 谷口 安里, 高橋 遼, 明石 久美子, 木村 賢哉, 金澤 英俊 (碧南市民病院外科)
症例は75歳、男性。検診で便潜血陽性のため当院に紹介となった。既往に高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、虫垂炎手術がある。下部消化管内視鏡検査では上行結腸に半周性の1型腫瘤を認め、生検は中分化腺癌であった。造影CT検査では、明らかな遠隔転移はなく、上行結腸に腫瘤を認め、近傍のリンパ節は腫大しており、リンパ節転移を疑った。進行上行結腸癌と診断し、腹腔鏡下回盲部切除、D3郭清術を施行した。病理組織学的には、低分化腺癌成分とCD56陽性、synaptophysin陽性の神経内分泌細胞癌成分が混在し、上行結腸mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)、A,Type1, INF b, Ly0, V1b, Pn1a, pT3(SS), pN1b(2/18), pStage IIIbと診断した。術後補助療法として術後1ヵ月目よりCapeOXを開始したが、食思不振のため2クール目からはCapecitabine単剤に変更し、計8クール施行した。
術後1年時のCT検査で肝S2に25×20mmの腫瘤性病変を認め、EOB-MRIで肝転移再発と診断した。単発病変であることから切除方針とし、肝外側区域切除術を施行した。病理組織学的にも中分化程度の腺癌と神経内分泌癌が混在するMANECであり、切除断端は陰性でR0切除であった。術後補助療法としてSOX療法を減量して開始したが、副作用のため継続できず、1クールで終了し以後経過観察方針とした。現在、初回手術から30ヵ月、肝転移再発切除後18ヵ月経過し無再発生存中である。
大腸MANECは全大腸癌の0.2%程度と稀な疾患であり、早期にリンパ節転移や遠隔転移を認める予後不良な疾患とされる。1年生存率で10~15%、平均生存期間は約6ヵ月という報告もある。本症例では、大腸MANECの肝転移再発に対しての肝切除を行い、その後再発せず経過しており、肝転移に対しても積極的な手術加療が良好な予後に繋がる可能性が示唆される。また、大腸MANECの肝転移に対する切除の報告例は検索する限り認めず、文献学的考察を加えて報告する。
術後1年時のCT検査で肝S2に25×20mmの腫瘤性病変を認め、EOB-MRIで肝転移再発と診断した。単発病変であることから切除方針とし、肝外側区域切除術を施行した。病理組織学的にも中分化程度の腺癌と神経内分泌癌が混在するMANECであり、切除断端は陰性でR0切除であった。術後補助療法としてSOX療法を減量して開始したが、副作用のため継続できず、1クールで終了し以後経過観察方針とした。現在、初回手術から30ヵ月、肝転移再発切除後18ヵ月経過し無再発生存中である。
大腸MANECは全大腸癌の0.2%程度と稀な疾患であり、早期にリンパ節転移や遠隔転移を認める予後不良な疾患とされる。1年生存率で10~15%、平均生存期間は約6ヵ月という報告もある。本症例では、大腸MANECの肝転移再発に対しての肝切除を行い、その後再発せず経過しており、肝転移に対しても積極的な手術加療が良好な予後に繋がる可能性が示唆される。また、大腸MANECの肝転移に対する切除の報告例は検索する限り認めず、文献学的考察を加えて報告する。