講演情報

[P27-4]FOLFOXIRI+cetuximab療法によるNACを行いR0切除し得た高度進行大腸癌3例

松村 篤1, 小笹 悠2, 高尾 幸司3, 有吉 要輔3, 當麻 敦史3 (1.京都済生会病院, 2.京都府立医科大学附属病院, 3.市立福知山市民病院)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【はじめに】unresectableもしくはborderline resectableと判定された高度進行大腸癌に対するconversion therapyでは、局所進行と転移性に分けるべきである。局所進行直腸癌に対してCRTやTNTの有効性が報告されているが、「それ以外」はエビデンスに乏しい。近年、DEEPER試験で、RAS/BRAF野生型かつ左側転移性大腸癌に対するFOLFOXIRI+cetuximab療法の良好なDpRが示された。今回、左側高度進行大腸癌3例に対し、NACとしてFOLFOXIRI+cetuximab療法を行い、安全にR0切除し得たので報告する。【治療適応とストラテジー】cT4b、bulky tumor、転移などでR0切除が困難と判定された、RAS/BRAF野生型かつ左側大腸癌。全例loop colostomy後、FOLFOXIRI+cetuximab療法 6コースと術後にFOLFOX療法 6コースを行った。【症例1】64歳女性。S, T4b (左大腰筋・卵巣血管・尿管), N2a, M0, cStage Ⅲc。相対用量強度88%、RESIST PR、DpR 47%。S状結腸切除、左尿管・腸腰筋部分切除、左卵巣合併切除を行った。合併症なし、術後在院日数8日。組織学的効果判定Grade 2。術後1年6ヶ月後腹膜再発。【症例2】64歳男性。RS, T4b (膀胱), N2a, M0, cStage Ⅲc。RDI 100%、PR→PD、DpR 54%。高位前方切除、膀胱部分切除を行った。合併症CD分類Ⅰ(創離開)、術後在院日数14日。Grade 1b。術後8ヶ月肝転移。【症例3】54歳男性。Ra, T4b (左精管), N2a, M1a(肺), cStage Ⅳa。RDI 100%、PR(肺転移はCR)、DpR 52%。ロボット支援下低位前方切除、左精管合併切除を行った。合併症なし、術後在院日数9日。Grade 2。術後1年6ヶ月無再発。【結語】NACとしてintensiveな治療であるが安全にR0切除し得た。今後、良好なDpRによる抗腫瘍効果はNACとして期待できる。