講演情報
[P28-3]薬物療法でCRを得たステージIV直腸癌術後多発肺転移の1例
深澤 貴子, 宇野 彰晋, 鈴木 克徳 (磐田市立総合病院)
直腸癌治療においては近年Total neoadjuvant therapyの概念の下で術前治療に注目が集まっているが,ステージIV直腸癌は治療に難渋することも少なくない.外科治療および殺細胞性抗癌剤治療でCRを得た症例の経験を報告する.
症例は46歳男性.腹痛,体重減少を主訴に受診.胸腹部造影CT検査で直腸S状部の,壁肥厚,狭窄と口側腸管の拡張および多発肝腫瘤を認めた.下部消化管内視鏡検査では直腸S状部に全周性の腫瘤性病変を認め経肛門的イレウス管を挿入した.直腸S状部癌cT3cN2bM1a(H2),; StageIVaと診断し,X年原発巣切除としてハルトマン手術を施行した.術後FOLFOX療法3コース施行.治療効果はSDであったが新規病変の出現を認めず.X+6か月肝後区域切除,外側区域切除を施行した.X+10か月に経過観察CTで肺両葉に新規結節性病変を指摘され肺転移を疑った.経過観察CTで増大傾向を認め多発肺転移と確定診断しX+1年6か月よりFOLFOX療法を再開した.X+2年,FOLFOX8コース施行後にPRと判断.X+2年6か月,FOLFOX16コース後に肺結節消失と判断した.RAS変異型,BRAF未検索,MSSであるが分子標的治療薬は導入しなかった.以降薬物療法中止後10年間経過観察中であるが肺病変の再燃,その他の新規再発病変は認めていない.
症例は46歳男性.腹痛,体重減少を主訴に受診.胸腹部造影CT検査で直腸S状部の,壁肥厚,狭窄と口側腸管の拡張および多発肝腫瘤を認めた.下部消化管内視鏡検査では直腸S状部に全周性の腫瘤性病変を認め経肛門的イレウス管を挿入した.直腸S状部癌cT3cN2bM1a(H2),; StageIVaと診断し,X年原発巣切除としてハルトマン手術を施行した.術後FOLFOX療法3コース施行.治療効果はSDであったが新規病変の出現を認めず.X+6か月肝後区域切除,外側区域切除を施行した.X+10か月に経過観察CTで肺両葉に新規結節性病変を指摘され肺転移を疑った.経過観察CTで増大傾向を認め多発肺転移と確定診断しX+1年6か月よりFOLFOX療法を再開した.X+2年,FOLFOX8コース施行後にPRと判断.X+2年6か月,FOLFOX16コース後に肺結節消失と判断した.RAS変異型,BRAF未検索,MSSであるが分子標的治療薬は導入しなかった.以降薬物療法中止後10年間経過観察中であるが肺病変の再燃,その他の新規再発病変は認めていない.