講演情報

[P3-5]当院における腹腔鏡下大腸癌手術の周術期管理と治療成績

佐藤 雄, 北原 夏美, 森山 雄貴, 鍋倉 大樹, 門屋 健吾, 佐藤 礼実, 土屋 勝 (東邦大学医療センター佐倉病院外科)
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【目的】当院における腹腔鏡下大腸癌手術の周術期管理の標準化とその短期治療成績を明らかにすること。【方法】2022年4月から2025年3月までに当院で施行した、結腸癌(直腸S状部を含む)に対する腹腔鏡下大腸切除手術の159例を対象とした。当院の周術期管理は、術前日の朝から絶食とし、経口腸管洗浄剤による機械的前処置に加えて、化学的前処置としてカナマイシン+メトロニダゾールを経口投与する。執刀直前と術後は手術当日のみFMOXを投与する。術後、食事は術後2病日に全粥から開始し、術後6病日に退院とするクリニカルパスを用いる。このパスに基づいた手術および術後成績を後ろ向きに評価し、術後在院日数が6日以内と7日以上の2群に分けて比較検討した。【結果】年齢中央値76歳[42-95歳]、男性:女性=88:71。腹腔鏡/ロボット/開腹移行=135:20:4。腫瘍占拠部位は右側が69例(43%)。術後合併症は50例(31%)で認め、うちClavien-Dindo分類でGrade II以上は38例(24%)であった。全SSI発生率は5%であった。術後在院日数は8日[2-55日]で、クリニカルパス遵守率は42%であった。術後在院日数が7日以上の群では、6日以内の群と比較し、平均年齢は高く(71 vs 76歳、p=0.004)、手術時間が長く(238 vs 260分、p=0.014)、また術中出血量が多かった(12 vs 20mL、p<0.001)。【結論】当院の腹腔鏡下大腸癌手術において標準化した周術期管理は約4割で遵守でき、SSI発生率は5%であった。