講演情報
[P30-3]アスピリン内服はStageI-III大腸癌根治術後の再発を抑制する可能性がある
別木 智昭1, 下村 学1, 矢野 琢也1, 清水 亘2, 三口 真司3, 池田 聡3, 吉満 政義4, 香山 茂平5, 中原 雅浩6, 小林 弘典7, 河内 雅年8, 清水 洋祐9, 住谷 大輔10, 向井 正一朗11, 高倉 有二12, 石﨑 康代13, 児玉 真也14, 安達 智洋2, 石川 聖1, 大段 秀樹1 (1.広島大学大学院医系科学研究科消化器・移植外科, 2.広島市立北部医療センター安佐市民病院外科, 3.県立広島病院外科, 4.広島市立広島市民病院外科, 5.JA広島総合病院外科, 6.JA尾道総合病院外科・内視鏡外科, 7.広島記念病院外科, 8.東広島医療センター消化器外科, 9.呉医療センター・中国がんセンター外科, 10.JR広島病院外科, 11.中国労災病院外科, 12.中電病院外科, 13.広島西医療センター外科, 14.JA吉田総合病院外科)
【背景】
アスピリンの内服は大腸癌対して抗腫瘍効果を有することが報告されているが、大腸癌術後のアスピリン内服が予後に与える影響についての報告は少ないのが現状である。
【目的】
アスピリン内服がStage I〜IIIの大腸癌根治切除術後の長期予後に与える影響を明らかにすること。
【対象/方法】
県内14施設の多施設共同データベースを用いて、Stage I〜IIIの大腸癌に対して根治切除術を施行した2,863例を対象とした。術前からのアスピリン内服の有無により群分けし、アスピリン内服が長期予後に与える影響について後方視的に検討した。患者背景を可能な限り調整するため、Propensity Score Matching(PSM)解析を実施した。
【結果】
アスピリン内服群は高齢で、ASA-PSが3以上、糖尿病、心筋梗塞既往、脳血管疾患既往を有する症例が有意に多かった。一方で、深達度T4以上やリンパ節転移陽性の割合は低く、術後補助化学療法の実施率も有意に低かった。生存期間解析では、アスピリン内服は術後再発率(P = 0.188)を低下させる傾向を示した。PSM解析後は両群間の患者背景に有意差はなく、生存期間解析では、アスピリン内服は全生存率(P = 0.055)を改善する傾向を示し、術後再発率(P = 0.024)は有意に低下した。
【結論】
アスピリン内服はStage I〜III大腸癌根治術後再発を有意に抑制することが示された。アスピリン内服は大腸癌術後の長期予後を改善する可能性がある。
アスピリンの内服は大腸癌対して抗腫瘍効果を有することが報告されているが、大腸癌術後のアスピリン内服が予後に与える影響についての報告は少ないのが現状である。
【目的】
アスピリン内服がStage I〜IIIの大腸癌根治切除術後の長期予後に与える影響を明らかにすること。
【対象/方法】
県内14施設の多施設共同データベースを用いて、Stage I〜IIIの大腸癌に対して根治切除術を施行した2,863例を対象とした。術前からのアスピリン内服の有無により群分けし、アスピリン内服が長期予後に与える影響について後方視的に検討した。患者背景を可能な限り調整するため、Propensity Score Matching(PSM)解析を実施した。
【結果】
アスピリン内服群は高齢で、ASA-PSが3以上、糖尿病、心筋梗塞既往、脳血管疾患既往を有する症例が有意に多かった。一方で、深達度T4以上やリンパ節転移陽性の割合は低く、術後補助化学療法の実施率も有意に低かった。生存期間解析では、アスピリン内服は術後再発率(P = 0.188)を低下させる傾向を示した。PSM解析後は両群間の患者背景に有意差はなく、生存期間解析では、アスピリン内服は全生存率(P = 0.055)を改善する傾向を示し、術後再発率(P = 0.024)は有意に低下した。
【結論】
アスピリン内服はStage I〜III大腸癌根治術後再発を有意に抑制することが示された。アスピリン内服は大腸癌術後の長期予後を改善する可能性がある。