講演情報
[P35-1]クローン病に対する内視鏡的バルーン拡張後の外科的治療介入に関する検討
辻 嘉斗, 荻野 崇之, 深田 晃生, 関戸 悠紀, 竹田 充伸, 波多 豪, 浜部 敦史, 三吉 範克, 植村 守, 土岐 祐一郎, 江口 英利 (大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学)
【はじめに】 クローン病(CD)は、診断から10年以内に約70%の患者が腸管狭窄を発症し、その多くが外科的治療を必要とする。不可逆的狭窄に対しては、内視鏡的バルーン拡張術(EBD)と手術が主な治療法である。EBDは、狭窄長が3~5cm未満で瘢痕性、単発・限局性、吻合部狭窄などに適応されるが、効果が不十分で手術に至る例も少なくない。本研究では、CD狭窄病変に対してEBDを施行した症例の臨床経過および外科的介入の必要性について検討した。
【対象と方法】 2016~2017年に当院に入院歴のあったCD患者130例のうち、EBDを施行された27例を対象とし、患者背景、臨床病理学的因子、再燃の有無について後方視的に解析した。癌合併例は除外。データは中央値(範囲)で示した。
【結果】男女比は20:7、EBD施行時年齢は47(29–72)歳、BMIは19.6(15.6–25.1)、罹病期間は17(1–39)年。病変範囲はL1/L2/L3が14/2/11例、病態分類はB2/B3が17/10例であった。EBD既往回数は0/1/2回以上が6/6/15例、腸管手術既往回数は0/1/2回以上が3/14/10例。EBD対象部位は回腸5例、直腸3例、吻合部20例(回腸回腸11例、回結腸7例、その他2例、重複あり)。1例でEBD関連腸管穿孔を認めた。8例に手術が施行され、最終EBDから手術までの期間は7(0–106)カ月であった。術式は回盲部切除1例、吻合部切除4例、回腸部分切除1例、結腸右半切除1例、結腸全摘1例。Clavien-Dindo分類Grade III以上の術後合併症はなかった。
【まとめ】CDに対するEBDは狭窄症例に有効であるが、フォローアップのサーベイランスが必須である。症例に応じた外科的治療介入の見極めが重要であろう。
【対象と方法】 2016~2017年に当院に入院歴のあったCD患者130例のうち、EBDを施行された27例を対象とし、患者背景、臨床病理学的因子、再燃の有無について後方視的に解析した。癌合併例は除外。データは中央値(範囲)で示した。
【結果】男女比は20:7、EBD施行時年齢は47(29–72)歳、BMIは19.6(15.6–25.1)、罹病期間は17(1–39)年。病変範囲はL1/L2/L3が14/2/11例、病態分類はB2/B3が17/10例であった。EBD既往回数は0/1/2回以上が6/6/15例、腸管手術既往回数は0/1/2回以上が3/14/10例。EBD対象部位は回腸5例、直腸3例、吻合部20例(回腸回腸11例、回結腸7例、その他2例、重複あり)。1例でEBD関連腸管穿孔を認めた。8例に手術が施行され、最終EBDから手術までの期間は7(0–106)カ月であった。術式は回盲部切除1例、吻合部切除4例、回腸部分切除1例、結腸右半切除1例、結腸全摘1例。Clavien-Dindo分類Grade III以上の術後合併症はなかった。
【まとめ】CDに対するEBDは狭窄症例に有効であるが、フォローアップのサーベイランスが必須である。症例に応じた外科的治療介入の見極めが重要であろう。