講演情報
[P35-3]クローン病合併痔瘻に対するダルバドストロセルの短期治療成績
宮田 柾秀, 上神 慎之介, 中島 一記, 亀田 靖子, 新原 健介, 伊藤 林太郎, 土井 寛文, 久原 佑太, 大毛 宏喜, 髙橋 信也 (広島大学大学院医系科学研究科外科学)
【目的】
クローン病合併痔瘻に対して同種間葉系幹細胞製剤であるダルバドストロセル投与を行った3例について,後方視的に短期治療成績を検討する.
【症例】
3例とも20代から30代の女性であった.症例1:小腸大腸型クローン病に対してアダリムマブにて治療中.痔瘻に対して過去4回Setonドレナージの既往あり.その後も複数回肛門周囲膿瘍の再燃に対してドレナージを繰り返していた.2時方向に原発口と二次口を認める難治性痔瘻に対して,麻酔下肛門観察,組織生検を施行し,4週間後にダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後6ヶ月以上経過し再発徴候認めず.症例2:小腸大腸型クローン病に対してリサンキズマブにて治療中.痔瘻に対して複数回痔瘻手術既往あり.その後も肛門周囲膿瘍を繰り返していた.0時,2時方向にそれぞれ原発口と二次口を認める難治性痔瘻に対してダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後5か月で再発徴候無し.症例3:小腸大腸型クローン病に対して治療中に小腸狭窄のため紹介受診.以前よりガス漏れや便汁漏出の自覚あり.腹腔鏡手術時に,1時方向に原発口と二次口を認める痔瘻を認め,ドレナージ孔の拡張とSetonドレナージを施行した.術後にインフリキシマブを導入され,約8か月後に希望にて痔瘻根治術(Coring out,組織生検)を施行したが,1か月後に再燃したため,ダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後5か月で再発徴候無し.これまで治療に関連した有害事象は認めず、安全に施行可能であった.一方で,短期間に2度の入院が必要となることや,薬剤の供給の関係で希望日に実施できないことがあり注意が必要である.
【結語】
クローン病合併痔瘻に対するダルバドストロセルの短期的な治療効果は良好であった.症例数が少なく,観察期間も短いため,症例を蓄積して中長期成績について検証する必要がある.
クローン病合併痔瘻に対して同種間葉系幹細胞製剤であるダルバドストロセル投与を行った3例について,後方視的に短期治療成績を検討する.
【症例】
3例とも20代から30代の女性であった.症例1:小腸大腸型クローン病に対してアダリムマブにて治療中.痔瘻に対して過去4回Setonドレナージの既往あり.その後も複数回肛門周囲膿瘍の再燃に対してドレナージを繰り返していた.2時方向に原発口と二次口を認める難治性痔瘻に対して,麻酔下肛門観察,組織生検を施行し,4週間後にダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後6ヶ月以上経過し再発徴候認めず.症例2:小腸大腸型クローン病に対してリサンキズマブにて治療中.痔瘻に対して複数回痔瘻手術既往あり.その後も肛門周囲膿瘍を繰り返していた.0時,2時方向にそれぞれ原発口と二次口を認める難治性痔瘻に対してダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後5か月で再発徴候無し.症例3:小腸大腸型クローン病に対して治療中に小腸狭窄のため紹介受診.以前よりガス漏れや便汁漏出の自覚あり.腹腔鏡手術時に,1時方向に原発口と二次口を認める痔瘻を認め,ドレナージ孔の拡張とSetonドレナージを施行した.術後にインフリキシマブを導入され,約8か月後に希望にて痔瘻根治術(Coring out,組織生検)を施行したが,1か月後に再燃したため,ダルバドストロセルを使用した痔瘻根治術を施行した.術後5か月で再発徴候無し.これまで治療に関連した有害事象は認めず、安全に施行可能であった.一方で,短期間に2度の入院が必要となることや,薬剤の供給の関係で希望日に実施できないことがあり注意が必要である.
【結語】
クローン病合併痔瘻に対するダルバドストロセルの短期的な治療効果は良好であった.症例数が少なく,観察期間も短いため,症例を蓄積して中長期成績について検証する必要がある.