講演情報
[P38-2]治療に難渋した、Segmental Hypoganhlionosisの一例
井上 弘章, 八木 朝彦, 吉岡 貴裕, 稲田 涼 (高知医療センター消化器外科)
治療に難渋した、Segmental Hypoganglionosisの1例を経験したため、報告する。
症例は78歳女性、外来受診3週間前より便秘、腹部膨満感の症状を認めた。
CT上短径7cm大と拡張した盲腸を認め、大腸全域に大量の宿便を認めた。大腸内視鏡検査で便塊の除去を試みたが、難しく、閉塞性腸炎、ショック状態となり、開腹腸管減圧手術を施行した。酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、ルビプロストンなどの内服加療をするも排便困難を認め、その後も2回糞便性イレウスを繰り返し、大腸内視鏡にて便塊摘出、経肛門イレウス管を挿入し、入院加療を行った。大腸内視鏡検査では明らかな腫瘍などの閉塞起点となる器質的病変を認めなかった。内科的治療は困難と判断し、初回外来受診から3ヶ月後に大腸亜全摘を施行した。第9病日に退院したが、第22病日に腹膜炎のため、救急搬送となった。CT上残存結腸、直腸、小腸に多量の便塊を認め、free airを認めた。術中所見では腹腔内に多量の便塊を認め、便秘により前回吻合部の破綻を認めた。明らかな吻合部の狭窄は認めなかった。残存結腸切除、回腸単孔式人工肛門造設、洗浄ドレナージを施行した。その後の経過は良好である。
組織学的所見ではS状結腸から直腸の一部にAuerbach神経叢の神経節細胞の減少を認めた。直腸断端には神経節細胞の減少は認めず、Segmental Hypoganglionosisと診断した。慢性特発性大腸偽性腸閉塞症では内科的治療が奏効しない場合、大腸亜全摘を施行し、改善した報告例を認めるが、本症例は大腸亜全摘施行後にも便秘となり、回腸人工肛門造設を必要とした。
症例は78歳女性、外来受診3週間前より便秘、腹部膨満感の症状を認めた。
CT上短径7cm大と拡張した盲腸を認め、大腸全域に大量の宿便を認めた。大腸内視鏡検査で便塊の除去を試みたが、難しく、閉塞性腸炎、ショック状態となり、開腹腸管減圧手術を施行した。酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、ルビプロストンなどの内服加療をするも排便困難を認め、その後も2回糞便性イレウスを繰り返し、大腸内視鏡にて便塊摘出、経肛門イレウス管を挿入し、入院加療を行った。大腸内視鏡検査では明らかな腫瘍などの閉塞起点となる器質的病変を認めなかった。内科的治療は困難と判断し、初回外来受診から3ヶ月後に大腸亜全摘を施行した。第9病日に退院したが、第22病日に腹膜炎のため、救急搬送となった。CT上残存結腸、直腸、小腸に多量の便塊を認め、free airを認めた。術中所見では腹腔内に多量の便塊を認め、便秘により前回吻合部の破綻を認めた。明らかな吻合部の狭窄は認めなかった。残存結腸切除、回腸単孔式人工肛門造設、洗浄ドレナージを施行した。その後の経過は良好である。
組織学的所見ではS状結腸から直腸の一部にAuerbach神経叢の神経節細胞の減少を認めた。直腸断端には神経節細胞の減少は認めず、Segmental Hypoganglionosisと診断した。慢性特発性大腸偽性腸閉塞症では内科的治療が奏効しない場合、大腸亜全摘を施行し、改善した報告例を認めるが、本症例は大腸亜全摘施行後にも便秘となり、回腸人工肛門造設を必要とした。