講演情報
[P4-3]当院における妊娠中の急性虫垂炎症例の経験
大島 令子, 石原 加葉, 藤田 孝尚, 伊藤 その, 冨井 知春 (東京都立大塚病院消化器外科)
【はじめに】妊娠中の急性腹症は一般病院ではしばしば経験するが妊娠週数や急性腹症の重症度により治療方針を迷うことがある。当院は総合周産期母子医療センターに指定されており妊娠中の腹痛症例の搬送もあり産科と協力して診療に当たっている。今回当院での妊娠中の急性虫垂炎についてこれまでの手術症例から診断法、手術のアプローチや周術期管理、安全性について検討した。
【対象と方法】2014年4月から2025年3月まで当院で手術を施行した妊娠中の急性虫垂炎症例13例について患者背景と診断方法、術式、手術成績、術後管理と在院日数などについて検討した.【結果】年齢、妊娠週数の中央値は30〔25-33〕歳、15〔9-24〕週であった。診断方法はMRIが5例、他は全てCTであった。手術は1例を除き腹腔鏡下虫垂切除術であった。妊娠30週の症例のみ第1ポート挿入位置が右上腹部であったがそれ以外は臍からのアプローチであった。周術期合併症は認めなかった。1週間以上の入院を要した症例は4例でありいずれも子宮収縮抑制剤が投与されていた。膿瘍形成や穿孔を伴う症例は3例ありいずれも術後在院期間が長い傾向にあった。当院での出産症例はいずれも分娩経過に異常を認めなかった。【考察】診断方法は外科医師が読影に慣れているCTが適当と思われる。腹腔鏡下虫垂切除では視野が良好であり妊娠子宮を損傷することなく安全に手術をすすめることができていた。【結語】妊娠中の急性虫垂炎に対し診断後早急に手術を選択することにより良好な成績を得られており安全に施行できると考える。
【対象と方法】2014年4月から2025年3月まで当院で手術を施行した妊娠中の急性虫垂炎症例13例について患者背景と診断方法、術式、手術成績、術後管理と在院日数などについて検討した.【結果】年齢、妊娠週数の中央値は30〔25-33〕歳、15〔9-24〕週であった。診断方法はMRIが5例、他は全てCTであった。手術は1例を除き腹腔鏡下虫垂切除術であった。妊娠30週の症例のみ第1ポート挿入位置が右上腹部であったがそれ以外は臍からのアプローチであった。周術期合併症は認めなかった。1週間以上の入院を要した症例は4例でありいずれも子宮収縮抑制剤が投与されていた。膿瘍形成や穿孔を伴う症例は3例ありいずれも術後在院期間が長い傾向にあった。当院での出産症例はいずれも分娩経過に異常を認めなかった。【考察】診断方法は外科医師が読影に慣れているCTが適当と思われる。腹腔鏡下虫垂切除では視野が良好であり妊娠子宮を損傷することなく安全に手術をすすめることができていた。【結語】妊娠中の急性虫垂炎に対し診断後早急に手術を選択することにより良好な成績を得られており安全に施行できると考える。