講演情報
[P4-4]当院における虫垂腫瘍の年齢別検討
中島 伸, 須藤 剛, 深瀬 正彦, 佐藤 圭佑, 本荘 美菜子, 望月 秀太郎, 飯澤 肇 (山形県立中央病院外科)
【はじめに】当院で2014年から2024年の間に手術を施行した虫垂腫瘍62例について、年齢との関係を後方視的に検討した。
【結果】症例の平均年齢は66.2歳(37〜88歳、中央値67歳)、男性32例、女性30例であった。発覚契機は健診や他疾患のスクリーのング検査などによる偶発的発見が33例、急性虫垂炎の発症による発見が16例であった。
年齢別の症例数は、30代以下0例、30代3例、40代2例、50代13例、60代20例、70代14例、80代10例、90代以上0例で、60代に発症のピークが見られた。
組織形は、30代はadenocarcinoma2例、goblet cell carcinoma1例。40代はadenoma1例、LAMN1例。50代はadenocarcinoma1例、LAMN7例、その他5例。60代はadenocarcinoma7例、LAMN10例、その他3例。70代はadenocarcinoma7例、LAMN3例、goblet cell carcinoma1例、その他3例。80代はadenocarcinoma1例、LAMN7例、goblet cell carcinoma2例であった。
adenocarcinomaはstage0 3例、stageII8例、stageIII1例、stageIV5例であった。予後はstage IVは全て癌死となっているがstageIII以下では現在のところ再発が認められていない。
【考察】急性腹症診療ガイドライン2025によると、急性腹症のうち虫垂炎が占める割合は7〜17歳で87.7%、18〜64歳で47.1%、65歳以上で13.9%となっている。本解析では年齢が上がるごとに急性虫垂炎の発症確率は減少する一方で、虫垂腫瘍の発生頻度は年齢が上昇する毎に上昇することがわかった。以上より、特に50代以上の急性虫垂炎症例を診療する際は、虫垂腫瘍による虫垂炎発症の可能性を念頭に診療にあたることが重要であると考えられた。
【結果】症例の平均年齢は66.2歳(37〜88歳、中央値67歳)、男性32例、女性30例であった。発覚契機は健診や他疾患のスクリーのング検査などによる偶発的発見が33例、急性虫垂炎の発症による発見が16例であった。
年齢別の症例数は、30代以下0例、30代3例、40代2例、50代13例、60代20例、70代14例、80代10例、90代以上0例で、60代に発症のピークが見られた。
組織形は、30代はadenocarcinoma2例、goblet cell carcinoma1例。40代はadenoma1例、LAMN1例。50代はadenocarcinoma1例、LAMN7例、その他5例。60代はadenocarcinoma7例、LAMN10例、その他3例。70代はadenocarcinoma7例、LAMN3例、goblet cell carcinoma1例、その他3例。80代はadenocarcinoma1例、LAMN7例、goblet cell carcinoma2例であった。
adenocarcinomaはstage0 3例、stageII8例、stageIII1例、stageIV5例であった。予後はstage IVは全て癌死となっているがstageIII以下では現在のところ再発が認められていない。
【考察】急性腹症診療ガイドライン2025によると、急性腹症のうち虫垂炎が占める割合は7〜17歳で87.7%、18〜64歳で47.1%、65歳以上で13.9%となっている。本解析では年齢が上がるごとに急性虫垂炎の発症確率は減少する一方で、虫垂腫瘍の発生頻度は年齢が上昇する毎に上昇することがわかった。以上より、特に50代以上の急性虫垂炎症例を診療する際は、虫垂腫瘍による虫垂炎発症の可能性を念頭に診療にあたることが重要であると考えられた。