講演情報
[P5-5]ICGを用いた、中、下直腸動脈による左側結腸、直腸の血流支配に関する検討
別府 直仁1, 柳 秀憲3, 今田 絢子3, 池田 正孝3 (1.宝塚市立病院外科, 2.明和病院外科, 3.兵庫医科大学下部消化管外科)
はじめに;下腸間膜動脈根部処理を伴う左側結腸、直腸切除術では、中、下直腸動脈が吻合部肛門側の直腸、結腸の血流支配であるが、その血流支配領域については十分な検討がなされていない。
目的;中、下直腸動脈の血流支配領域を評価すること。
方法;40名の下腸間膜動脈根部処理を伴う左側結腸、直腸切除症例の術中操作で、下腸間膜動脈根部処理をした後、先に口側腸間膜断端を決定し、下腸間膜動脈からその口側腸間膜断端まで辺縁血管を含めて腸間膜処理をおこなった。この操作により口側腸間膜断端から肛門までの血流は中、下直腸動脈で栄養されることとなる。この時点でICGを注入し血流評価をおこなった。
結果;40例全例で口側腸間膜まで血流が確認できた。この口側腸間膜断端は腹膜反転部から中央値33cm(15-93)cmであり、ICGが染まるまで32(10-50)秒であった。26例に肛門温存手術を施行しており、腹膜反転部から吻合部の距離は11(1-30)cmであった。1例に縫合不全を認めたが、本症例の腹膜反転部から吻合部の距離は7cmであった。
結語;既報では中、下直腸動脈の血流は腹膜反転部から10cm程度とされていたが、ICGを用いた本検討では少なくとも腹膜反転部から33(15-93)cmに渡り血流が確認でき、本血流が豊富であることが示唆された。
目的;中、下直腸動脈の血流支配領域を評価すること。
方法;40名の下腸間膜動脈根部処理を伴う左側結腸、直腸切除症例の術中操作で、下腸間膜動脈根部処理をした後、先に口側腸間膜断端を決定し、下腸間膜動脈からその口側腸間膜断端まで辺縁血管を含めて腸間膜処理をおこなった。この操作により口側腸間膜断端から肛門までの血流は中、下直腸動脈で栄養されることとなる。この時点でICGを注入し血流評価をおこなった。
結果;40例全例で口側腸間膜まで血流が確認できた。この口側腸間膜断端は腹膜反転部から中央値33cm(15-93)cmであり、ICGが染まるまで32(10-50)秒であった。26例に肛門温存手術を施行しており、腹膜反転部から吻合部の距離は11(1-30)cmであった。1例に縫合不全を認めたが、本症例の腹膜反転部から吻合部の距離は7cmであった。
結語;既報では中、下直腸動脈の血流は腹膜反転部から10cm程度とされていたが、ICGを用いた本検討では少なくとも腹膜反転部から33(15-93)cmに渡り血流が確認でき、本血流が豊富であることが示唆された。