講演情報
[P8-6]ロボット支援下結腸切除術導入期における周術期高CK血症の検討
真貝 竜史, 長岡 慧, 中塚 梨絵, 岡野 美穂, 間狩 洋一, 松本 崇, 大島 聡 (公立学校共済組合近畿中央病院外科)
CK(CPK,クレアチンキナーゼ)は骨格筋や心筋,平滑筋などの筋肉や脳に多量に存在する酵素で,筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たす.筋組織の障害によりCK値は上昇し,中でも急性心筋梗塞や肺梗塞,コンパートメント症候群などの筋虚血または機械的外傷,低体温や悪性高熱症,低カリウム血症などの電解質障害,高血糖などの内分泌疾患など,術中を含む周術期合併症として留意する疾患が含まれる.
ロボット支援下手術導入にあたり,腹腔鏡手術よりもやや太いカニューラの挿入は回避できないが,手術時間の延長,リモートセンターのずれ,急角度頭低位,ロボットアームと下腿との干渉をいかに最小限に抑えるかに留意しつつ実施している.今回周術期のCK値(正常範囲20-180U/L)の推移について,2023年6月からのロボット支援下結腸切除術40症例(右側23例,左側17例)について検討した.AirSeal®システムを用いて術中気腹圧10mmHgとした.
平均年齢72.4歳(49-89),男女比23:17,BMI平均値22.4(16.2-34.7).手術時間およびコンソール時間中央値376分/217分.CK平均値(U/L)は術前95.7,術後1-2日364.9,術後3-4日179.2,術後7日前後67.8であった.総コレステロール、AST、LDHの異常上昇を同時に認めた症例,呼吸困難や下腿腫脹を認めた例はなかった.術前CK値基準内の39例において,術後1-2日で23例が異常値(うち3例が1000U/L超)となった.12例が術後3-4日で高値のままだったが,術後1週間で1例を除き正常化した.経験数が限られる一般地域病院でも安全にロボット支援下手術が継続できるよう,周術期に注意深いチェックを追加実施していくことが肝要と考える.
ロボット支援下手術導入にあたり,腹腔鏡手術よりもやや太いカニューラの挿入は回避できないが,手術時間の延長,リモートセンターのずれ,急角度頭低位,ロボットアームと下腿との干渉をいかに最小限に抑えるかに留意しつつ実施している.今回周術期のCK値(正常範囲20-180U/L)の推移について,2023年6月からのロボット支援下結腸切除術40症例(右側23例,左側17例)について検討した.AirSeal®システムを用いて術中気腹圧10mmHgとした.
平均年齢72.4歳(49-89),男女比23:17,BMI平均値22.4(16.2-34.7).手術時間およびコンソール時間中央値376分/217分.CK平均値(U/L)は術前95.7,術後1-2日364.9,術後3-4日179.2,術後7日前後67.8であった.総コレステロール、AST、LDHの異常上昇を同時に認めた症例,呼吸困難や下腿腫脹を認めた例はなかった.術前CK値基準内の39例において,術後1-2日で23例が異常値(うち3例が1000U/L超)となった.12例が術後3-4日で高値のままだったが,術後1週間で1例を除き正常化した.経験数が限られる一般地域病院でも安全にロボット支援下手術が継続できるよう,周術期に注意深いチェックを追加実施していくことが肝要と考える.