講演情報
[PD7-6]同時性大腸癌腹膜播種に対するcytoreductive surgeryの適応と成績
水本 明良, 高尾 信行, 今神 透, 大江 康光, 松永 隆志, 寒川 玲, 安 炳九, 戸川 剛 (淡海医療センター消化器外科)
(目的)当院では、大腸癌同時性腹膜播種に対し、cytoreductive surgery(CRS)による積極的切除を行っており、肉眼的遺残腫瘍のない完全切除(CC-0)が予後改善に極めて重要であると報告してきた。今回、P分類とperitoneal cancer index(PCI)に基づき、同時性大腸癌腹膜播種に対するCRSの適応と治療成績を検討した。
(方法)2012年から2023年までに、同時性大腸癌腹膜播種に対してCRSを施行した128例を対象とした。CRSは、消化管、子宮付属器や脾臓などの臓器切除と壁側腹膜切除を組み合わせて実施した。P分類ならびにPCI(腹腔内を13領域に分け、病変サイズにより0-3点で評価)は、術中の開腹所見に基づいて決定した。
(結果)対象は男性58例、女性70例、平均年齢は54歳であった。平均手術時間は282分、平均出血量は1.1Lであった。腹膜播種の診断からCRSまでの期間の中央値は280日であった。
CRSからの3年・5年生存率はそれぞれ44%、31%であり、CC-0切除が達成された症例では62%、46%であった。一方、CC-1以上の症例では5年生存は認めなかった。
P分類別にみると、P1が6例、P2が22例、P3が100例であり、CC-0達成率はP1で100%、P2で95%(21/22例)、P3で39%(39/100例)であった。P1とP2を合わせた症例における3年・5年生存率はそれぞれ65%と48%で、P3では35%と25%であった。P3でもCC-0切除が達成された場合の3年・5年生存率はそれぞれ55%と45%であった。
PCIの値を、PCI 9以下(P-9)、10–19(P-19)、20–29(P-29)、30–39(P-39)の4群に分類したところ、CC-0達成率はP-9 93%(42/45)、P-19 70%(21/30)、P-29 8%(3/38)、P-39 0%(0/15)であった。3年と5年生存率は、P-9がそれぞれ58%と44%、P-19が53%と25%、P-29が9%と0%、P-39が42%と0%であった。
(結語)大腸癌腹膜播種において、CRSによる予後の改善にはCC-0の切除が重要であり、術中のP分類およびPCIの評価が有用である。P1とP2あるいはPCIが10未満の症例は腹膜切除の絶対適応で、P3であってもPCIが20未満であればCRSを積極的に検討すべきと考える。
(方法)2012年から2023年までに、同時性大腸癌腹膜播種に対してCRSを施行した128例を対象とした。CRSは、消化管、子宮付属器や脾臓などの臓器切除と壁側腹膜切除を組み合わせて実施した。P分類ならびにPCI(腹腔内を13領域に分け、病変サイズにより0-3点で評価)は、術中の開腹所見に基づいて決定した。
(結果)対象は男性58例、女性70例、平均年齢は54歳であった。平均手術時間は282分、平均出血量は1.1Lであった。腹膜播種の診断からCRSまでの期間の中央値は280日であった。
CRSからの3年・5年生存率はそれぞれ44%、31%であり、CC-0切除が達成された症例では62%、46%であった。一方、CC-1以上の症例では5年生存は認めなかった。
P分類別にみると、P1が6例、P2が22例、P3が100例であり、CC-0達成率はP1で100%、P2で95%(21/22例)、P3で39%(39/100例)であった。P1とP2を合わせた症例における3年・5年生存率はそれぞれ65%と48%で、P3では35%と25%であった。P3でもCC-0切除が達成された場合の3年・5年生存率はそれぞれ55%と45%であった。
PCIの値を、PCI 9以下(P-9)、10–19(P-19)、20–29(P-29)、30–39(P-39)の4群に分類したところ、CC-0達成率はP-9 93%(42/45)、P-19 70%(21/30)、P-29 8%(3/38)、P-39 0%(0/15)であった。3年と5年生存率は、P-9がそれぞれ58%と44%、P-19が53%と25%、P-29が9%と0%、P-39が42%と0%であった。
(結語)大腸癌腹膜播種において、CRSによる予後の改善にはCC-0の切除が重要であり、術中のP分類およびPCIの評価が有用である。P1とP2あるいはPCIが10未満の症例は腹膜切除の絶対適応で、P3であってもPCIが20未満であればCRSを積極的に検討すべきと考える。