講演情報
[R1-2]痔核に対するALTA with mucopexyの成績
角田 明良 (安房地域医療センター外科)
背景:痔核切除術は根治性があるが術後疼痛が最大の課題であり、これを緩和する手術としてtransanal hemorrhoidal dearterialization (THD)が開発された。その後、THDにmucopexyを付加した術式が再発率低下に寄与するとされ、筆者も行ってきた(Tsunoda A. Tech Coloproctol 2017)。しかし、ドップラーガイドを使用する肛門鏡は€300と高価である。そこで、疼痛が軽度で再発率も低く安価と想定される術式を考案した。
目的:ALTA with mucopexyの成績を評価する。
方法:2018年から2021年までに3度痔核に対して本術式を行った。術式は初めにU字型肛門鏡を用いて、肛門縁から6 cmから歯状線上1 cmまで吸収糸による連続縫合によりmucopexyを行う。次にZ式肛門鏡によりALTA療法を行う。主要評価項目は累積成功率で、副次的評価項目は術後の疼痛スコアと鎮痛剤使用量、術後合併症、入院期間、患者満足度である。Follow-upは毎年郵送で行った。失敗の定義は「脱出または出血の再発」と「術後血栓性外痔核手術」とした。データはmedian (range)で示す。
結果:114名の患者に本術式を行った。年齢は70歳 (27-86)、男女比は86/28、であった。Mucopexyの数は2 (1-4)、ALTA therapyの数は3 (1-4)で、ALTA注射量は19 ml (7-32)であった。手術時間は22分 (6-40)、出血量は5 ml (0-40)、入院期間は2日 (2-14)であった。日常生活に戻るまでの期間は3日 (1-28)であった。術後2週間のNRS(0-10)による疼痛スコアは2以下で、鎮痛剤使用量は1 (0-25)であった。術後合併症は6例(5%)に認められた(Clavien-Dindo grade I/IIIが5/1例)。Follow-up期間は36か月 (6-63)で、失敗が14例(12%)に認められた。内訳は再脱出または再出血13例、血栓性外痔核手術1例である。1,3,5年の累積成功率はおのおの97%, 85%, 85%であった。NRS(0-10)による患者満足度は9以上であった。
結論:本術式は疼痛と術後合併症が少なく、患者満足度が高く、累積成功率も満足する結果であった (Tech Coloproctol 2023)。
目的:ALTA with mucopexyの成績を評価する。
方法:2018年から2021年までに3度痔核に対して本術式を行った。術式は初めにU字型肛門鏡を用いて、肛門縁から6 cmから歯状線上1 cmまで吸収糸による連続縫合によりmucopexyを行う。次にZ式肛門鏡によりALTA療法を行う。主要評価項目は累積成功率で、副次的評価項目は術後の疼痛スコアと鎮痛剤使用量、術後合併症、入院期間、患者満足度である。Follow-upは毎年郵送で行った。失敗の定義は「脱出または出血の再発」と「術後血栓性外痔核手術」とした。データはmedian (range)で示す。
結果:114名の患者に本術式を行った。年齢は70歳 (27-86)、男女比は86/28、であった。Mucopexyの数は2 (1-4)、ALTA therapyの数は3 (1-4)で、ALTA注射量は19 ml (7-32)であった。手術時間は22分 (6-40)、出血量は5 ml (0-40)、入院期間は2日 (2-14)であった。日常生活に戻るまでの期間は3日 (1-28)であった。術後2週間のNRS(0-10)による疼痛スコアは2以下で、鎮痛剤使用量は1 (0-25)であった。術後合併症は6例(5%)に認められた(Clavien-Dindo grade I/IIIが5/1例)。Follow-up期間は36か月 (6-63)で、失敗が14例(12%)に認められた。内訳は再脱出または再出血13例、血栓性外痔核手術1例である。1,3,5年の累積成功率はおのおの97%, 85%, 85%であった。NRS(0-10)による患者満足度は9以上であった。
結論:本術式は疼痛と術後合併症が少なく、患者満足度が高く、累積成功率も満足する結果であった (Tech Coloproctol 2023)。