講演情報
[R12-1]当院における経会陰的直腸脱手術Delorme法の手技と治療成績の検討
三宅 祐一朗, 小野 朋ニ郎, 齋藤 徹, 渡部 晃大, 内海 昌子, 久能 英法, 竹中 雄也, 相馬 大人, 安田 潤, 弓場 健義, 根津 理一郎 (大阪中央病院外科)
【はじめに】直腸脱の治療は経会陰的手術と経腹手術におおきく分類されるが、我々は脱出長4cm以上の症例に対しては全身麻酔が可能であれば経腹手術を適応し、脱出長4cm未満の症例に対しては経腹手術と経会陰手術も選択肢として提示してインフォームドコンセントを経て治療方針を決定している。全身麻酔非適応症例については脱出長に関わらず経会陰的手術としてDelorme法を主に行なっている。
【目的】当科で行なっているDelorme法の手術手技を動画で供覧するとともに、その治療成績について検討する。
【手術】脊椎麻酔下にジャックナイフ体位で実施する。ローンスターリトラクターを用いて肛門を展開し、アリス鉗子で直腸を牽引して脱出している状態を再現し、歯状線より1.5cm口側の直腸粘膜を全周性に切離する。同部位より口側にむけて直腸粘膜を筋層から剥離し、脱出頂部を超えて肛門縁レベルまで剥離した後、露出した直腸筋層を6方向で縫縮、剥離した余剰直腸粘膜を切除しつつ粘膜同士を縫合して再建する。
【患者背景・治療成績】2018年1月から2025年3月までに当科にて経会陰的直腸脱手術Delorme法を施行した症例は101例であり、男性10例、女性91例で、年齢の平均値80歳(29-93)であった。脱出長は平均4cm(2-10)で剥離粘膜の長さは平均12cm(3-20)であり手術時間は平均60分(35-116)であった。術後合併症として縫合部狭窄を17例で認め、2例に縫合部離開を認めた。縫合部狭窄はブジーによる保存的治療で全例軽快し、縫合部離開についても保存的治療で軽快を認めた。再発は21例(21%)に認められ、16例は経腹手術(腹腔鏡下直腸固定術)を、1例はGant-三輪-Tierschによる経会陰的手術を施行し現時点で再発を認めていない。1例は経腹手術を予定されたがスクリーニングの下部内視鏡検査でS状結腸癌と診断され大腸切除術を施行された。3例は患者の希望により経過観察となった。
【結語】経会陰的直腸脱手術Delorme法は侵襲が低く、全身状態の不良な症例でも適応できる術式であるが、一定の割合で再発するため経腹手術も適応となる症例においては術前のインフォームドコンセントが重要であると思われる。
【目的】当科で行なっているDelorme法の手術手技を動画で供覧するとともに、その治療成績について検討する。
【手術】脊椎麻酔下にジャックナイフ体位で実施する。ローンスターリトラクターを用いて肛門を展開し、アリス鉗子で直腸を牽引して脱出している状態を再現し、歯状線より1.5cm口側の直腸粘膜を全周性に切離する。同部位より口側にむけて直腸粘膜を筋層から剥離し、脱出頂部を超えて肛門縁レベルまで剥離した後、露出した直腸筋層を6方向で縫縮、剥離した余剰直腸粘膜を切除しつつ粘膜同士を縫合して再建する。
【患者背景・治療成績】2018年1月から2025年3月までに当科にて経会陰的直腸脱手術Delorme法を施行した症例は101例であり、男性10例、女性91例で、年齢の平均値80歳(29-93)であった。脱出長は平均4cm(2-10)で剥離粘膜の長さは平均12cm(3-20)であり手術時間は平均60分(35-116)であった。術後合併症として縫合部狭窄を17例で認め、2例に縫合部離開を認めた。縫合部狭窄はブジーによる保存的治療で全例軽快し、縫合部離開についても保存的治療で軽快を認めた。再発は21例(21%)に認められ、16例は経腹手術(腹腔鏡下直腸固定術)を、1例はGant-三輪-Tierschによる経会陰的手術を施行し現時点で再発を認めていない。1例は経腹手術を予定されたがスクリーニングの下部内視鏡検査でS状結腸癌と診断され大腸切除術を施行された。3例は患者の希望により経過観察となった。
【結語】経会陰的直腸脱手術Delorme法は侵襲が低く、全身状態の不良な症例でも適応できる術式であるが、一定の割合で再発するため経腹手術も適応となる症例においては術前のインフォームドコンセントが重要であると思われる。