講演情報
[R12-2]直腸脱に対する腹腔鏡下Wells変法直腸固定術
和田 聡朗, 北堀 魁常, 立津 捷斗, 高木 秀和, 中右 雅之, 宇山 直樹 (岸和田市民病院外科)
【背景】直腸脱は高齢者が増加するにつれて今後増加すると予想される疾患で、疾患の特性により病脳期間が長くなり、QOLの著しい低下を来すことが多い。治療法としては経肛門的手術および経腹的手術があり、前者は低侵襲である一方、再発率が高い傾向にある。腹式手術の侵襲性と経肛門的手術の再発率を軽減する点から当科では全身麻酔が可能な症例に対しては、腹腔鏡下Wells変法直腸固定術を第一選択として施行している。
【症例・手術手技】
症例は77歳女性。1か月前より完全直腸脱(脱出長7cm)を認め、手術を希望された。全身麻酔下に体位は砕石位とし、気腹後に右に傾けた頭低位で行う。S状結腸を左上方向に挙上し、内側アプローチを開始し、直腸右側間膜を切開し、直腸固有筋膜の背側を剥離する。下腹神経と骨盤神経叢を温存しながら直腸の剥離を右内側から左尾側に進める。直腸左側間膜を切開し、右側からの剥離面と交通させる。直腸後壁の剥離は肛門挙筋の手前まで行っている。側方靭帯は両側とも温存し、前壁の剥離は可及的に行っている。タイレーンメッシュを縦7×横10cmに切り、正中仙骨動静脈に注意して、メッシュを仙骨にタッカーで固定する。直腸を頭側に牽引し、吸収糸を用いてメッシュと左右の直腸壁を3針結節縫合し、メッシュが直腸後壁を中心に約半周を被覆するよう固定する。メッシュが小腸と接触し、癒着することを避けるため、後腹膜を吸収糸にて連続縫合し、修復し、手術終了としている。
術後の経過は良好で半年後も再発を認めていない。
【結論】直腸脱に対する腹腔鏡下Wells変法直腸固定術は、低侵襲で高い再発防止効果を維持している点で優れた治療法であり、高齢者に対して推奨できる。今回は実際の手術ビデオを供覧し、当手技におけるポイントを提示したい。
【症例・手術手技】
症例は77歳女性。1か月前より完全直腸脱(脱出長7cm)を認め、手術を希望された。全身麻酔下に体位は砕石位とし、気腹後に右に傾けた頭低位で行う。S状結腸を左上方向に挙上し、内側アプローチを開始し、直腸右側間膜を切開し、直腸固有筋膜の背側を剥離する。下腹神経と骨盤神経叢を温存しながら直腸の剥離を右内側から左尾側に進める。直腸左側間膜を切開し、右側からの剥離面と交通させる。直腸後壁の剥離は肛門挙筋の手前まで行っている。側方靭帯は両側とも温存し、前壁の剥離は可及的に行っている。タイレーンメッシュを縦7×横10cmに切り、正中仙骨動静脈に注意して、メッシュを仙骨にタッカーで固定する。直腸を頭側に牽引し、吸収糸を用いてメッシュと左右の直腸壁を3針結節縫合し、メッシュが直腸後壁を中心に約半周を被覆するよう固定する。メッシュが小腸と接触し、癒着することを避けるため、後腹膜を吸収糸にて連続縫合し、修復し、手術終了としている。
術後の経過は良好で半年後も再発を認めていない。
【結論】直腸脱に対する腹腔鏡下Wells変法直腸固定術は、低侵襲で高い再発防止効果を維持している点で優れた治療法であり、高齢者に対して推奨できる。今回は実際の手術ビデオを供覧し、当手技におけるポイントを提示したい。