講演情報
[R13-1]経会陰アプローチを併用した骨盤内臓全摘術・前立腺合併切除術
石井 雅之1,2, 豊田 真帆2, 藤野 紘貴2, 岡本 行平2, 奥谷 浩一2 (1.東札幌病院, 2.札幌医科大学外科学講座消化器外科学分野)
【背景】骨盤内臓全摘および前立腺合併切除術は、局所進行直腸癌や骨盤内再発に対する根治的治療として施行されるが、狭小な骨盤内における複雑な操作を要するため、高度な技術が求められる。経会陰アプローチの併用により深部視野の確保や正確な切離が可能となり、さらに腹側・会陰側の2チームによる同時進行手術は、手術時間の短縮、視野展開および情報共有の面で有利とされる。
【目的】当院において施行した経会陰アプローチ併用の骨盤内臓全摘および前立腺合併切除術の短期成績を報告すること。
【対象】2016年4月から2025年3月までに、下部局所進行直腸癌および骨盤内再発に対して経会陰アプローチ併用の骨盤内臓全摘および前立腺合併切除術を施行した9例を後方視的に解析した。
【手術】全例で泌尿器科と合同で手術を行った。外科チームで、直腸後壁から側壁までの授動を行いrendezvousした。続いて泌尿器科チームにて膀胱・尿管・前立腺周囲の剥離を行い、同時に会陰から肛門挙筋を切離し、Retzius腔でrendezvousした。DVCの処理は腹部チームが行い、尿道は会陰側からステープラーで切離した。TPEでは回腸導管を作成し、前立腺合併切除では膀胱瘻を造設した。
【結果】男性8例、女性1例。原疾患は直腸癌8例、骨盤内再発1例であった。TPE5例、前立腺合併切除4例であった。年齢の中央値は66歳(50-76)、術中出血量の中央値は30mL(5-875)、手術時間の中央値は548分(441-1233)であった。全例でR0切除が得られた。術後合併症(Clavien-Dindo分類≧III)は4例で、うち会陰創関連は1例であった。
【まとめ】経会陰アプローチを併用したTPEは、深部視野の確保に有用であり、2チームアプローチの導入により手術の効率化と安全性の向上が期待される術式と考えられた。
【目的】当院において施行した経会陰アプローチ併用の骨盤内臓全摘および前立腺合併切除術の短期成績を報告すること。
【対象】2016年4月から2025年3月までに、下部局所進行直腸癌および骨盤内再発に対して経会陰アプローチ併用の骨盤内臓全摘および前立腺合併切除術を施行した9例を後方視的に解析した。
【手術】全例で泌尿器科と合同で手術を行った。外科チームで、直腸後壁から側壁までの授動を行いrendezvousした。続いて泌尿器科チームにて膀胱・尿管・前立腺周囲の剥離を行い、同時に会陰から肛門挙筋を切離し、Retzius腔でrendezvousした。DVCの処理は腹部チームが行い、尿道は会陰側からステープラーで切離した。TPEでは回腸導管を作成し、前立腺合併切除では膀胱瘻を造設した。
【結果】男性8例、女性1例。原疾患は直腸癌8例、骨盤内再発1例であった。TPE5例、前立腺合併切除4例であった。年齢の中央値は66歳(50-76)、術中出血量の中央値は30mL(5-875)、手術時間の中央値は548分(441-1233)であった。全例でR0切除が得られた。術後合併症(Clavien-Dindo分類≧III)は4例で、うち会陰創関連は1例であった。
【まとめ】経会陰アプローチを併用したTPEは、深部視野の確保に有用であり、2チームアプローチの導入により手術の効率化と安全性の向上が期待される術式と考えられた。