講演情報
[R14-1]大腸癌切除例におけるDダイマーとCEAを組み合わせたスコアCDCSの予後予測因子としての有用性
中川 和也, 太田 絵美, 験馬 悠介, 本田 祥子, 伊藤 慧, 増田 太郎, 山岸 茂 (藤沢市民病院外科)
【背景】DダイマーとCEAを組み合わせたスコアCDCS(Combination of D-dimer and CEA Score)は、結腸癌根治切除例における有用な予後予測因子である報告された(Ojima et al. Surg Today 2021)。しかし、その妥当性に関する報告はほとんどないのが現状である。
【目的】結腸癌根治切除例におけるCDCSの予後予測因子としての有用性を検討する。
【対象・方法】2015年1月から2021年12月までに当科で結腸癌に対して根治切除を施行し、術前CEAとDダイマーを測定していた338例を対象とした。CEA、Dダイマーのカットオフ値はそれぞれ5.0μg/ml、1.0μg/mlとした。CEA >5.0μg/mlとDダイマー>1.0μg/mlの場合にそれぞれ1点とし、CDCSを算出した。CDCSの3群間で背景因子を比較し、再発や生存に関して検討した。
【結果】338例中、年齢中央値は74歳で、男性186例(55%)であった。CEA >5.0μg/mlは99例(29%)、Dダイマー>1.0μg/mlは117例(35%)であり、CDCS 0は165例(49%)CDCS 1は130例(38%)、CDCS 2は43例(13%)となった。年齢中央値はCDCS 0で72歳、CDCS 1で75歳、CDCS 2で78歳と3群間に偏りを認めた(p<0.01)。pStage(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)もCDCS 0で72 / 60 / 33、CDCS 1で29 / 64 / 37、CDCS 2で1 / 28 / 14と3群間で偏りを認めた(p<0.01)。3年無再発生存率はCDCS 0が93.2%、CDCS 1が90.9%、CDCS 2が80.2%であった。CDCS2はCDCS0と比較して、予後不良である傾向を認めた(p=0.07)。また3年全生存率もCDCS 0で96.9%と、CDCS 1の89.4%、CDCS 2の80.7%と比べて、有意に良好であった(p<0.01)。全生存に関する単変量解析では、男性・局在右側・CDCS(0 / 1 / 2)・pStage(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)の4因子が予後不良因子の候補であった。これら4因子で多変量解析(変数減少法)を行うと、CDCS(ハザード比,2.46;95% 信頼区間,1.68-3.61; p<0.01)が独立した予後不良因子であった。
【結論】結腸癌根治切除症例において、DダイマーとCEAを組み合わせたスコアCDCSは、有用な予後予測因子である可能性が示唆された。
【目的】結腸癌根治切除例におけるCDCSの予後予測因子としての有用性を検討する。
【対象・方法】2015年1月から2021年12月までに当科で結腸癌に対して根治切除を施行し、術前CEAとDダイマーを測定していた338例を対象とした。CEA、Dダイマーのカットオフ値はそれぞれ5.0μg/ml、1.0μg/mlとした。CEA >5.0μg/mlとDダイマー>1.0μg/mlの場合にそれぞれ1点とし、CDCSを算出した。CDCSの3群間で背景因子を比較し、再発や生存に関して検討した。
【結果】338例中、年齢中央値は74歳で、男性186例(55%)であった。CEA >5.0μg/mlは99例(29%)、Dダイマー>1.0μg/mlは117例(35%)であり、CDCS 0は165例(49%)CDCS 1は130例(38%)、CDCS 2は43例(13%)となった。年齢中央値はCDCS 0で72歳、CDCS 1で75歳、CDCS 2で78歳と3群間に偏りを認めた(p<0.01)。pStage(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)もCDCS 0で72 / 60 / 33、CDCS 1で29 / 64 / 37、CDCS 2で1 / 28 / 14と3群間で偏りを認めた(p<0.01)。3年無再発生存率はCDCS 0が93.2%、CDCS 1が90.9%、CDCS 2が80.2%であった。CDCS2はCDCS0と比較して、予後不良である傾向を認めた(p=0.07)。また3年全生存率もCDCS 0で96.9%と、CDCS 1の89.4%、CDCS 2の80.7%と比べて、有意に良好であった(p<0.01)。全生存に関する単変量解析では、男性・局在右側・CDCS(0 / 1 / 2)・pStage(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)の4因子が予後不良因子の候補であった。これら4因子で多変量解析(変数減少法)を行うと、CDCS(ハザード比,2.46;95% 信頼区間,1.68-3.61; p<0.01)が独立した予後不良因子であった。
【結論】結腸癌根治切除症例において、DダイマーとCEAを組み合わせたスコアCDCSは、有用な予後予測因子である可能性が示唆された。