講演情報
[R14-3]大腸癌患者におけるCachexia Indexの予後予測能の評価
丹田 秀樹1, 渋谷 雅常1, 月田 智也1, 内藤 信裕1, 大森 威来1, 福井 康弘1, 田中 章博1, 小澤 慎太郎1, 西山 毅1, 米光 健1, 関 由季1, 黒田 顕慈1, 笠島 裕明1, 福岡 達成2, 前田 清1 (1.大阪公立大学医学研究科消化器外科学, 2.大阪市立総合医療センター)
背景
悪液質は、進行性の骨格筋量減少を主徴とする多因子性症候群であり、がん患者における予後規定因子の一つとして注目されているが、その客観的評価法は依然として確立されていない。近年、新たな悪液質評価指標として「Cachexia Index(CXI)」が提唱され、予後予測マーカーとしての有用性が期待されている。本研究では、根治的切除を受けた大腸がん患者を対象に、CXIの予後予測能を検証した。
方法
2017年1月から2019年12月に大阪市立大学病院において、大腸がんに対する根治切除術を施行された299例を対象に後ろ向き解析を行った。Skeletal Muscle Index(SMI)、血清アルブミン値(Alb)、好中球リンパ球比(NLR)を用いて、従来のCXI(S-CXI)を算出した。加えて、SMIの代替としてPsoas Muscle Index(PMI)を用いた新たなCXI(P-CXI)を、PMI(cm²/m²)× Alb(g/dL)/ NLR により導出し評価した。RFSおよびOSとの関連を、単変量および多変量Cox比例ハザードモデルにより解析した。
結果
全299例中、S-CXI high群は219例、low群は80例であり、P-CXI high群は114例、low群は185例であった。いずれの指標においても、low群ではRFSおよびOSが有意に短かった(S-CXI:RFS, p = 0.011、OS, p = 0.001;P-CXI:RFS, p = 0.002、OS, p = 0.005)。多変量解析において、P-CXIが低値であることは、RFSおよびOSのいずれにおいても独立した予後不良因子であることが示された(RFS:HR = 2.629、95% CI:1.312–5.266、p = 0.006;OS:HR = 2.716、95% CI:1.064–6.933、p = 0.036)。
結論
P-CXIは大腸がん根治切除後の長期予後と有意に関連していた。P-CXIは日常臨床における予後予測マーカーとして、有用である可能性が示唆された。
悪液質は、進行性の骨格筋量減少を主徴とする多因子性症候群であり、がん患者における予後規定因子の一つとして注目されているが、その客観的評価法は依然として確立されていない。近年、新たな悪液質評価指標として「Cachexia Index(CXI)」が提唱され、予後予測マーカーとしての有用性が期待されている。本研究では、根治的切除を受けた大腸がん患者を対象に、CXIの予後予測能を検証した。
方法
2017年1月から2019年12月に大阪市立大学病院において、大腸がんに対する根治切除術を施行された299例を対象に後ろ向き解析を行った。Skeletal Muscle Index(SMI)、血清アルブミン値(Alb)、好中球リンパ球比(NLR)を用いて、従来のCXI(S-CXI)を算出した。加えて、SMIの代替としてPsoas Muscle Index(PMI)を用いた新たなCXI(P-CXI)を、PMI(cm²/m²)× Alb(g/dL)/ NLR により導出し評価した。RFSおよびOSとの関連を、単変量および多変量Cox比例ハザードモデルにより解析した。
結果
全299例中、S-CXI high群は219例、low群は80例であり、P-CXI high群は114例、low群は185例であった。いずれの指標においても、low群ではRFSおよびOSが有意に短かった(S-CXI:RFS, p = 0.011、OS, p = 0.001;P-CXI:RFS, p = 0.002、OS, p = 0.005)。多変量解析において、P-CXIが低値であることは、RFSおよびOSのいずれにおいても独立した予後不良因子であることが示された(RFS:HR = 2.629、95% CI:1.312–5.266、p = 0.006;OS:HR = 2.716、95% CI:1.064–6.933、p = 0.036)。
結論
P-CXIは大腸がん根治切除後の長期予後と有意に関連していた。P-CXIは日常臨床における予後予測マーカーとして、有用である可能性が示唆された。