講演情報
[R15-1]デジタルクローン技術を活用した説明動画システムの使用経験
山本 大輔1, 菅野 圭1, 上野 雄平1, 石林 健一1, 久保 陽香1, 齊藤 浩志1, 道傳 研太1, 﨑村 祐介1, 林 憲吾1, 林 沙貴1, 松井 亮太1, 齊藤 裕人1, 辻 敏克1, 森山 秀樹1, 木下 淳1, 稲木 紀幸1, 渡邊 祐介2 (1.金沢大学附属病院消化管外科, 2.金沢大学附属病院, 3.北海道大学病院医療・ヘルスサイエンス研究開発機構)
【はじめに】
2024年4月より医師の働き方改革が施行され、医師に求められる業務効率化と負担軽減が医療現場の大きな課題となっている。特に、患者への説明や同意取得などの業務は増加傾向にあり、これまで医師個々が口頭で対応していた業務の一部を、映像やIT技術を活用して標準化・効率化することが期待される。音声付き動画を用いた患者説明は、わかりやすさや説明の均質化のみならず、医師の説明負担軽減にも寄与すると考えられる。本研究では、デジタルクローン技術を活用した動画説明システムを手術説明に導入し、その実際の有用性を検証した。
【方法】
2025年3月より、当院で大腸がん手術予定の患者4名(直腸がん2例、S状結腸がん2例)を対象とした。医療者向け・患者向けWEBアプリであるDICTORTMシステムによる音声付き説明動画を患者に視聴してもらい、その後医師が個別に補足説明を加えて手術同意を取得した。記録から説明全体にかかった時間(手術以外の関連説明も含む)を計測し、さらに患者満足度についてはClient Satisfaction Questionnaire日本語版(CIS:最大32点)、ネットプロモータースコア(NPS:10点満点)で評価した。
【結果】
4例全例(男性3例 女性1例 年齢中央値 74.5歳)において、DICTORシステムによる説明動画の活用が可能であった。説明時間(中央値)は14分20秒で、従来の口頭説明(中央値)のみ(23分)と比較して説明時間の短縮が得られた。患者満足度はCISスコア中央値25.5点、NPSは8点と高水準を示し、これまでのデータと同様の傾向であった。動画説明資材の理解度や安心感に対して好意的な反応が認められた。
【結論】
デジタルクローン技術を活用した説明動画システムを用いた説明動画は、患者満足度を損なうことなく説明業務の効率化と医師の負担軽減を実現しうる有効な手段であると考えられた。今後は対象疾患や運用体制の拡大による更なる検討が必要であり、医療現場の働き方改革の一助となることが期待される。
2024年4月より医師の働き方改革が施行され、医師に求められる業務効率化と負担軽減が医療現場の大きな課題となっている。特に、患者への説明や同意取得などの業務は増加傾向にあり、これまで医師個々が口頭で対応していた業務の一部を、映像やIT技術を活用して標準化・効率化することが期待される。音声付き動画を用いた患者説明は、わかりやすさや説明の均質化のみならず、医師の説明負担軽減にも寄与すると考えられる。本研究では、デジタルクローン技術を活用した動画説明システムを手術説明に導入し、その実際の有用性を検証した。
【方法】
2025年3月より、当院で大腸がん手術予定の患者4名(直腸がん2例、S状結腸がん2例)を対象とした。医療者向け・患者向けWEBアプリであるDICTORTMシステムによる音声付き説明動画を患者に視聴してもらい、その後医師が個別に補足説明を加えて手術同意を取得した。記録から説明全体にかかった時間(手術以外の関連説明も含む)を計測し、さらに患者満足度についてはClient Satisfaction Questionnaire日本語版(CIS:最大32点)、ネットプロモータースコア(NPS:10点満点)で評価した。
【結果】
4例全例(男性3例 女性1例 年齢中央値 74.5歳)において、DICTORシステムによる説明動画の活用が可能であった。説明時間(中央値)は14分20秒で、従来の口頭説明(中央値)のみ(23分)と比較して説明時間の短縮が得られた。患者満足度はCISスコア中央値25.5点、NPSは8点と高水準を示し、これまでのデータと同様の傾向であった。動画説明資材の理解度や安心感に対して好意的な反応が認められた。
【結論】
デジタルクローン技術を活用した説明動画システムを用いた説明動画は、患者満足度を損なうことなく説明業務の効率化と医師の負担軽減を実現しうる有効な手段であると考えられた。今後は対象疾患や運用体制の拡大による更なる検討が必要であり、医療現場の働き方改革の一助となることが期待される。