講演情報
[R15-6]当院での大腸癌内視鏡治療後の追加外科切除症例の検討
郡司掛 勝也, 座主 真衣佳, 一宮 佑輔, 鳥居 真行, 淺川 哲也, 南 宏典, 山口 貴久, 大畠 慶直, 寺井 志郎, 北村 祥貴, 角谷 慎一 (石川県立中央病院消化器外科)
【背景】内視鏡切除されたpT1大腸癌で,垂直断端陽性,T1b≧1000µm,脈管侵襲陽性,低分化腺癌・印環細胞癌・粘液癌,蔟出Grade2/3のいずれかを認める場合,追加外科切除がガイドラインで推奨されている.
【方法】2019年1月~2024年12月に,大腸癌内視鏡切除後の追加外科切除を施行した91例を対象とし,病理学的因子,周術期成績,リンパ節転移率,長期成績について検討した.
【結果】年齢61(30~84)歳,男性47例,女性44例であった.腫瘍占拠部位はC/A/T/D/S/Rs/Ra/Rb=4/13/13/3/30/10/10/8.追加切除の適応因子は(重複あり),垂直断端陽性もしくは不明24例,SM浸潤1000µm以上71例,リンパ管浸潤陽性26例,静脈浸潤陽性34例,蔟出Grade2/3以上4例であった.手術は開腹/腹腔鏡=2/90であった.中枢郭清はD1/D2/D3=7/17/67であり,手術時間は202(110~417)分,出血量19(2~400)ml,術後在院日数は10(5~42)日であった.術後合併症は9例(9.9%)に認め,Clavien-DindoⅢ以上の合併症は7例であった.組織学的リンパ節転移は14例(15.4%)に認めた.追加切除因子別のリンパ節転移率(重複あり)は,垂直断端陽性もしくは不明25.0%(6/24),SM浸潤1000µm以上14.1%(10/71),リンパ管侵襲陽性30.8%(8/26),静脈侵襲陽性11.8%(4/34),蔟出Grade2/3以上25.0%(1/4)であった.術後11例に補助化学療法が行われており,観察期間は769(19-2214)日,再発を1例に認めた.
【考察】本検討において,内視鏡切除後の追加外科切除後の周術期成績および長期予後は良好であった.また,約15%にリンパ節転移を認めており,リンパ節転移の陽性率として既存の報告と同程度であり,ガイドラインに準拠した追加外科切除は妥当であると考えられる.
【方法】2019年1月~2024年12月に,大腸癌内視鏡切除後の追加外科切除を施行した91例を対象とし,病理学的因子,周術期成績,リンパ節転移率,長期成績について検討した.
【結果】年齢61(30~84)歳,男性47例,女性44例であった.腫瘍占拠部位はC/A/T/D/S/Rs/Ra/Rb=4/13/13/3/30/10/10/8.追加切除の適応因子は(重複あり),垂直断端陽性もしくは不明24例,SM浸潤1000µm以上71例,リンパ管浸潤陽性26例,静脈浸潤陽性34例,蔟出Grade2/3以上4例であった.手術は開腹/腹腔鏡=2/90であった.中枢郭清はD1/D2/D3=7/17/67であり,手術時間は202(110~417)分,出血量19(2~400)ml,術後在院日数は10(5~42)日であった.術後合併症は9例(9.9%)に認め,Clavien-DindoⅢ以上の合併症は7例であった.組織学的リンパ節転移は14例(15.4%)に認めた.追加切除因子別のリンパ節転移率(重複あり)は,垂直断端陽性もしくは不明25.0%(6/24),SM浸潤1000µm以上14.1%(10/71),リンパ管侵襲陽性30.8%(8/26),静脈侵襲陽性11.8%(4/34),蔟出Grade2/3以上25.0%(1/4)であった.術後11例に補助化学療法が行われており,観察期間は769(19-2214)日,再発を1例に認めた.
【考察】本検討において,内視鏡切除後の追加外科切除後の周術期成績および長期予後は良好であった.また,約15%にリンパ節転移を認めており,リンパ節転移の陽性率として既存の報告と同程度であり,ガイドラインに準拠した追加外科切除は妥当であると考えられる.