講演情報
[R15-7]切除不能進行・再発大腸癌に対するHER2検査運用状況とPER+TRA療法導入実態に関する多施設調査
森 良太1, 工藤 敏啓2, 畑 泰司3, 中田 健4, 井上 彬5, 三宅 正和6, 原口 直紹7, 小西 健8, 真貝 竜史9, 吉岡 慎一10, 竹田 充伸11, 朴 正勝12, 池永 雅一13, 内藤 敦14, 荻野 崇之11, 三吉 範克11, 植村 守11, 村田 幸平3, 土岐 祐一郎11, 江口 英利11 (1.大阪国際がんセンター消化器外科, 2.大阪国際がんセンター腫瘍内科, 3.関西労災病院消化器外科, 4.東大阪医療センター消化器外科, 5.大阪急性期・総合医療センター消化器外科, 6.りんくう総合医療センター消化器外科, 7.近畿大学奈良病院消化器外科, 8.川西市立総合医療センター消化器外科, 9.近畿中央病院消化器外科, 10.八尾市立病院消化器外科, 11.大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学, 12.大阪けいさつ病院消化器外科, 13.市立豊中病院消化器外科, 14.堺市立市立総合医療センター消化器外科)
【背景・目的】
HER2陽性大腸癌は2〜3%と希少であり、RAS野生型でも抗EGFR抗体薬に対し治療抵抗性を示す事が多い。TRIUMPH、MyPathway試験の結果を受け、2022年にPER+TRA療法が保険収載され、HER2検査が推奨されるに至った。2023年には乳癌の臨床試験の結果を受け、本邦で大腸癌に対し世界に先駆けてPER+TRAの皮下注製剤が承認されたが、大腸癌における臨床試験や有効性の報告は存在しない。今回HER2検査の実施頻度、抗HER2療法の導入数を把握することを目的とした。
【方法】
大阪大学の関連25施設(大腸癌手術: 約4000例/年)を対象に、2022年~2024年におけるHER2検査の実施有無、実施時期、治療対象症例数、抗HER2療法の施行数についてアンケート調査を行った。
【結果】
96%の施設でHER2検査を施行、内54%がルーチンで検査を実施していた。実施時期は「切除不能・再発と診断された時点」が最多で次いで「二次治療以降」であった。治療対象症例は25例であり、内PER+TRA点滴製剤は6例、皮下注製剤は5例に留まった。皮下注製剤は73%の施設で採用されていたが実際使用しているのは1施設のみであった。
【結論】
HER2検査をルーチンで実施している施設は全体の約半数にとどまり、施設間での運用に差を認めた。今後はHER2検査の標準化と、治療選択に結びつける実臨床での活用体制の強化が求められる。
HER2陽性大腸癌は2〜3%と希少であり、RAS野生型でも抗EGFR抗体薬に対し治療抵抗性を示す事が多い。TRIUMPH、MyPathway試験の結果を受け、2022年にPER+TRA療法が保険収載され、HER2検査が推奨されるに至った。2023年には乳癌の臨床試験の結果を受け、本邦で大腸癌に対し世界に先駆けてPER+TRAの皮下注製剤が承認されたが、大腸癌における臨床試験や有効性の報告は存在しない。今回HER2検査の実施頻度、抗HER2療法の導入数を把握することを目的とした。
【方法】
大阪大学の関連25施設(大腸癌手術: 約4000例/年)を対象に、2022年~2024年におけるHER2検査の実施有無、実施時期、治療対象症例数、抗HER2療法の施行数についてアンケート調査を行った。
【結果】
96%の施設でHER2検査を施行、内54%がルーチンで検査を実施していた。実施時期は「切除不能・再発と診断された時点」が最多で次いで「二次治療以降」であった。治療対象症例は25例であり、内PER+TRA点滴製剤は6例、皮下注製剤は5例に留まった。皮下注製剤は73%の施設で採用されていたが実際使用しているのは1施設のみであった。
【結論】
HER2検査をルーチンで実施している施設は全体の約半数にとどまり、施設間での運用に差を認めた。今後はHER2検査の標準化と、治療選択に結びつける実臨床での活用体制の強化が求められる。