講演情報

[R2-7]大腸疾患における形成外科とのコラボレーション手術、8症例の経験

吉満 政義, 澤田 絋幸, 中野 敢友, 谷口 文崇, 荒谷 滉亮, 川内 真, 井上 貴裕, 荒木 悠太郎, 濱崎 友洋, 山口 真治, 加藤 大貴, 吉本 匡志, 真島 宏聡, 桂 佑貴, 石田 道拡, 佐藤 太祐, 吉田 龍一, 丁田 泰宏, 白川 靖博, 松川 啓義 (広島市立広島市民病院外科)
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[はじめに] 会陰部の悪性腫瘍切除による組織欠損を骨盤底再建に使用される皮弁の採取部位は主に腹直筋皮弁・薄筋皮弁・殿溝皮弁などがあげられる。また、皮弁形成術は会陰部の合併症に対して行われる術式としても報告されている。我々は会陰創の外科的治療として形成外科とのコラボレーション手術である皮弁形成術を8例に行ってきたので報告する。
[結果] 年齢中央値61歳(47-76)、性別;男性7例女性1例、原疾患;直腸癌5例 肛門管内分泌癌1例 痔瘻がん1例 潰瘍性大腸炎1例、前治療;あり6例(術前CRT3例、前方骨盤内蔵全摘1例、緊急大腸全摘1例、術前化学療法1例)なし2例、術前の状態;痔瘻+骨盤膿瘍2例 難治性死腔炎2例 直腸がん術後局所再発2例 会陰部の皮膚疾患を伴う悪性腫瘍2例、術式;骨盤内蔵全摘術+左大腿薄筋皮弁形成術3例(開腹2例、腹腔鏡1例) 腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術+左大腿薄筋皮弁形成術2例 大腿薄筋皮弁形成術2例 左殿筋皮弁1例、手術時間中央値568分(198-775)、出血量中央値232ml(70-1750)、術後入院期間28日(21-42)、術後合併症;菌血症Grade II 1例 深部SSI Grade II2例 深部SSI Grade IIIa 1例
[考察] 大腸疾患における皮弁形成術を行った術式は原疾患の手術を並施することが多く、長時間手術となり、出血量がかさむことも多く、術後リハビリの必要であるため術後入院期間の長くなるが、術後合併症は比較的すくなかった。経験した症例はいずれも難治症例であったが、形成外科とのコラボレーションで安全に施行できていた。
[結語] 形成外科とのコラボレーションで行う皮弁形成術は会陰部の難治症例における有効な術式の一つと考えられた。