講演情報
[R24-1]当院におけるロボット支援下右側結腸癌手術の短期・長期成績の検討
浅井 宏之1, 山川 雄士1, 加藤 潤紀1, 上原 崇平1, 加藤 瑛1, 鈴木 卓弥1, 牛込 創1, 高橋 広城2, 瀧口 修司1 (1.名古屋市立大学病院, 2.名古屋市立大学西部医療センター)
【目的】2022年4月にロボット支援下結腸癌手術が保険適用となったことを受け、当院でも積極的にロボット手術で実施している。吻合方法は体腔外吻合(EA)と体腔内吻合(IA)に大きく分けられ、IAは小開腹創の縮小などが利点とされる一方で、体腔内で腸管を開放することによる腹膜内汚染や腹膜播種の可能性が指摘されている。今回はロボット支援下右側結腸癌手術(術式:回盲部切除/右半結腸切除)におけるIAの安全性を検討する。
【方法】2022年4月から2024年3月に当院で実施したStage0-Ⅲ患者のロボット支援下右側結腸癌手術を後方視的に検討した。
【成績】IA群は83例、EA群は16例であった。IA群のなかでoverlap吻合が81例で、EA群の中でFEEAが15例と吻合方法には違いがあった。患者背景はIA群とEA群を比較し、年齢(IA群:74.0歳 EA群:81.5歳 P=0.062)、性別(男性割合 IA群:41.0% EA群:18.8% P=0.162)、BMI(IA群:22.5 EA群:21.1 P=0.188)、腫瘍部位(虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸 IA群:4/15/49/14例 EA群:0/1/9/6例 P=0.192)、Stage(0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ I A群:3/22/31/27 EA群:1/3/9/3 P=0.526)に有意差を認めなかった。小開腹長(IA群:4.0cm EA群:6.0cm P<0.001)はIA群で有意に短かかった。コンソール時間(IA群:190分 EA群:154分 P=0.004)はIA群で有意に長かったが、手術時間(IA群:250分 EA群:232分 P=0.128)に有意差はなかった。術後合併症(Clavien-Dindo分類 I/II/III以上:IA群 5/4/2例、EA群 0/1/0例 P=0.68)には差を認めなかった。観察期間の中央値は456日(44-1553日)で、IA群のうち再発は2例(腹膜播種、肺)、EA群は1例(副腎)であった。再発に関してカプランマイヤー分析で検討したが有意な差を認めなかった(p=0.604)。
【結論】体腔内吻合は小開腹長などにおいて利点を有し、再発などの長期成績でも安全性に問題は見られなかった。
【方法】2022年4月から2024年3月に当院で実施したStage0-Ⅲ患者のロボット支援下右側結腸癌手術を後方視的に検討した。
【成績】IA群は83例、EA群は16例であった。IA群のなかでoverlap吻合が81例で、EA群の中でFEEAが15例と吻合方法には違いがあった。患者背景はIA群とEA群を比較し、年齢(IA群:74.0歳 EA群:81.5歳 P=0.062)、性別(男性割合 IA群:41.0% EA群:18.8% P=0.162)、BMI(IA群:22.5 EA群:21.1 P=0.188)、腫瘍部位(虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸 IA群:4/15/49/14例 EA群:0/1/9/6例 P=0.192)、Stage(0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ I A群:3/22/31/27 EA群:1/3/9/3 P=0.526)に有意差を認めなかった。小開腹長(IA群:4.0cm EA群:6.0cm P<0.001)はIA群で有意に短かかった。コンソール時間(IA群:190分 EA群:154分 P=0.004)はIA群で有意に長かったが、手術時間(IA群:250分 EA群:232分 P=0.128)に有意差はなかった。術後合併症(Clavien-Dindo分類 I/II/III以上:IA群 5/4/2例、EA群 0/1/0例 P=0.68)には差を認めなかった。観察期間の中央値は456日(44-1553日)で、IA群のうち再発は2例(腹膜播種、肺)、EA群は1例(副腎)であった。再発に関してカプランマイヤー分析で検討したが有意な差を認めなかった(p=0.604)。
【結論】体腔内吻合は小開腹長などにおいて利点を有し、再発などの長期成績でも安全性に問題は見られなかった。