講演情報

[R24-4]ロボット支援下結腸切除術における体腔内吻合の手術手技と短期成績

大木 岳志, 中村 匠吾, 久米 徹, 今里 亮介, 川口 真智子, 山田 卓司, 山下 信吾, 髙西 喜重郎 (東京都立多摩北部医療センター消化器外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【背景】当院は2023年6月にda Vinci Xi surgical systemを導入以降, 大腸癌の腹腔鏡下手術適応の症例は全てロボット支援下手術で行っている. ロボット支援下手術では術野を大きく動かさずに手術することが可能なため, 吻合は体腔内で行っている. 前処置不良が予想される症例や腫陽位置が同定できない症例を体腔内吻合の適応外としている.
【目的】当院のロボット支援下結腸切除術の体腔内吻合の短期成績を検討する.
【対象と方法】2023年6月から2025年4月までに大腸癌に対するロボット支援下手術を施行した128例の中で, 同時切除・S状結腸癌・人工肛門造設術の症例を除くロボット支援下結腸切除術を施行した23例を対象とした. 短期手術成績について後方視的に検討を行った.
【成績】<患者背景>男:女=14:9, 年齢:74.8(55-96)歳, BMI:23.2(19.92-30.6), 腫瘍占居部位:盲腸 4例, 上行結腸 8例, 横行結腸 10例, 下行結腸 1例
<手術成績>術式: 回盲部切除術 4例, 結腸右半切除術 16例, 横行結腸切除術 2例, 下行結腸切除術 1例, 吻合方法:Overlap 23例, Pfannenstiel切開:21例, 手術時間:292(156-728)分, コンソール時間:216(108-389)分, 出血量:18(0-100)ml, 術中有害事象・開腹手術移行:0例, 術後合併症:下血 1例,SSI 0例, 縫合不全 0例
【手技】Pfannenstiel切開の小開腹先行で行っている. 体腔内吻合はSureFormを用いたOverlap法で行っており, 共通孔はロボット支援下にbarbed sutureを用いてAlbert-Lumbert縫合で閉鎖している.
【結論】ロボット支援下結腸癌における体腔吻合は安全に施行可能である.