講演情報
[R25-1]Hinotori右側結腸切除における効果的な使用方法~da Vinci症例とのプロペンシティスコアマッチ解析から見えた対策法~
牛込 創, 山川 雄士, 加藤 潤紀, 浅井 宏之, 上原 崇平, 加藤 瑛, 鈴木 卓弥, 高橋 広城, 瀧口 修司 (名古屋市立大学消化器外科)
【はじめに】当院ではこれまで大腸がん手術をda Vinciだけでなくhinotoriも含めて600例以上に行ってきた。Hinotoriはコスト面で優位性がある一方で、操作性やデバイスの制限について議論される事も多い。本研究の目的はhinotoriによる右側結腸切除術の成績からその有用性と課題について検討することである。
【方法】2020年10月~2024年3月までの期間において原発大腸癌に対してロボット右側結腸切除を施行した125例を対象とした。多発癌や他臓器合併切除等を除き、腔内吻合で再建を行った89例を抽出して(hinotori 29例、da Vinci 60例)プロペンシティスコアマッチを行い短期成績について解析した。
【結果】マッチング後の解析では、手術時間はhinotori (H) 群277分、da Vinci (D) 群246分でH群の方が有意に時間を要していた(p=0.015)。一方でコンソール時間はH群 205分、D群 187分とやはりH群の方が時間を要する傾向にあった(p=0.0051)。出血量、術後在院日数、術後の合併症においては両群間に有意差を検出することは出来なかった。
【考察】
Hinotori はda Vinciと比して若干手術時間の延長を認めたが、その他の短期成績は概ね良好であり許容されるものであった。時間延長の主因としてはピボットポイントシステムの煩雑性によるドッキングの遅延が考えられる。それ以外にも機器への慣れ、デバイス不足も時間延長の一因だろう。しかしながらピボットを工夫し、腹腔鏡機器を用いたfusion surgeryやソフト凝固シザーズの使用などにより手術時間の短縮は可能であり、今後の更なるアップデートに期待したい。またロボット手術の標準機能である3D視野と多関節機能により、遠景視野においても手術が可能であるため全体像が把握し易いのは、腹腔鏡手術との違いでありロボット手術の有用点と考えている。我々がこれまでの経験から学んだhinotoriの特徴や工夫について動画を供覧し報告する。
【方法】2020年10月~2024年3月までの期間において原発大腸癌に対してロボット右側結腸切除を施行した125例を対象とした。多発癌や他臓器合併切除等を除き、腔内吻合で再建を行った89例を抽出して(hinotori 29例、da Vinci 60例)プロペンシティスコアマッチを行い短期成績について解析した。
【結果】マッチング後の解析では、手術時間はhinotori (H) 群277分、da Vinci (D) 群246分でH群の方が有意に時間を要していた(p=0.015)。一方でコンソール時間はH群 205分、D群 187分とやはりH群の方が時間を要する傾向にあった(p=0.0051)。出血量、術後在院日数、術後の合併症においては両群間に有意差を検出することは出来なかった。
【考察】
Hinotori はda Vinciと比して若干手術時間の延長を認めたが、その他の短期成績は概ね良好であり許容されるものであった。時間延長の主因としてはピボットポイントシステムの煩雑性によるドッキングの遅延が考えられる。それ以外にも機器への慣れ、デバイス不足も時間延長の一因だろう。しかしながらピボットを工夫し、腹腔鏡機器を用いたfusion surgeryやソフト凝固シザーズの使用などにより手術時間の短縮は可能であり、今後の更なるアップデートに期待したい。またロボット手術の標準機能である3D視野と多関節機能により、遠景視野においても手術が可能であるため全体像が把握し易いのは、腹腔鏡手術との違いでありロボット手術の有用点と考えている。我々がこれまでの経験から学んだhinotoriの特徴や工夫について動画を供覧し報告する。