講演情報
[R25-2]da VinciおよびHinotoriを用いたロボット支援下結腸右半切除術の手技の最適化と短期成績
岩本 哲好, 波江野 真大, 梅田 一生, 家根 由典, 村上 克宏, 吉岡 康多, 大東 弘治, 所 忠男, 上田 和毅, 川村 純一郎 (近畿大学医学部外科)
【背景】当院では2018年8月にdaVinci大腸癌手術を導入し,254例の手術を経験した後,2024年9月よりHinotoriを導入した.
【目的】複数機種を用いた右側結腸癌手術における最適な手技と短期成績を検討する.
【daVinci手術】ロールインが容易で,table motionにより体位変換が可能.鉗子の可動域が広く,port配置の自由度が高いため,surgical trunkの解剖が把握しやすい頭側アプローチを採用.血管損傷回避のためダブルバイポーラー法を標準化し,コスト抑制のためenergy deviceおよびstaplerは助手が操作.
【Hinotori手術】ロールインが煩雑で術中の体位変換が容易でない.鉗子の干渉により可動域がやや狭く,手技の自由度が低い.一方で操作部に対して弧状のport配置を守れば比較的快適に操作可能.以上から後腹膜アプローチを採用.Deviceが未整備なため助手とのFusion surgeryが必須.
【方法】2022年1月-2025年4月に当院で右側結腸癌に対して手術を施行した161例を腹腔鏡手術(CLS群)とロボット手術(RAS群)に分類し短期成績を比較検討。
【結果】CLS群は128例,RAS群は33例(da Vinci 19例,Hinotori 14例).手術時間はCLS 235分 vs RAS 319分でRASが有意に長く,出血量はCLS 2.5g vs RAS 0gでRASが少ない.術中血管損傷 7例(5.5%) vs 0例,開腹移行 5例(3.9%) vs RAS 0例.郭清LN 22個 vs 21個.術後合併症(Gr≥2)は12.5% vs RAS 15.2%で同等.
da Vinci群とHinotori群の比較では,手術時間 da Vinci 315分 vs Hinotori 325.5分, ロールインまでの時間 27分 vs 37分(p=0.0086), console時間 230分 vs 225分。
【考察】RAS群はCLS群と比較し手術時間延長が長いが,出血量/血管損傷/開腹移行の低減により安全性が向上し,郭清LN数は同等であった.da Vinciは頭側アプローチとダブルバイポーラー法により安全かつ確実な郭清を実現.Hinotoriはロールインに時間がかかるが,最適化したport配置とFusion surgeryにより安全な手術が可能.今後はreusableな器具を含むコスト低減策の導入と長期成績の評価が必要である.
【目的】複数機種を用いた右側結腸癌手術における最適な手技と短期成績を検討する.
【daVinci手術】ロールインが容易で,table motionにより体位変換が可能.鉗子の可動域が広く,port配置の自由度が高いため,surgical trunkの解剖が把握しやすい頭側アプローチを採用.血管損傷回避のためダブルバイポーラー法を標準化し,コスト抑制のためenergy deviceおよびstaplerは助手が操作.
【Hinotori手術】ロールインが煩雑で術中の体位変換が容易でない.鉗子の干渉により可動域がやや狭く,手技の自由度が低い.一方で操作部に対して弧状のport配置を守れば比較的快適に操作可能.以上から後腹膜アプローチを採用.Deviceが未整備なため助手とのFusion surgeryが必須.
【方法】2022年1月-2025年4月に当院で右側結腸癌に対して手術を施行した161例を腹腔鏡手術(CLS群)とロボット手術(RAS群)に分類し短期成績を比較検討。
【結果】CLS群は128例,RAS群は33例(da Vinci 19例,Hinotori 14例).手術時間はCLS 235分 vs RAS 319分でRASが有意に長く,出血量はCLS 2.5g vs RAS 0gでRASが少ない.術中血管損傷 7例(5.5%) vs 0例,開腹移行 5例(3.9%) vs RAS 0例.郭清LN 22個 vs 21個.術後合併症(Gr≥2)は12.5% vs RAS 15.2%で同等.
da Vinci群とHinotori群の比較では,手術時間 da Vinci 315分 vs Hinotori 325.5分, ロールインまでの時間 27分 vs 37分(p=0.0086), console時間 230分 vs 225分。
【考察】RAS群はCLS群と比較し手術時間延長が長いが,出血量/血管損傷/開腹移行の低減により安全性が向上し,郭清LN数は同等であった.da Vinciは頭側アプローチとダブルバイポーラー法により安全かつ確実な郭清を実現.Hinotoriはロールインに時間がかかるが,最適化したport配置とFusion surgeryにより安全な手術が可能.今後はreusableな器具を含むコスト低減策の導入と長期成績の評価が必要である.