講演情報
[R3-4]ALTA療法後の再発痔核に対して当院で施行した結紮切除術の検討
渡部 晃大, 小野 朋二郎, 内海 昌子, 竹中 雄也, 久能 英法, 三宅 祐一朗, 安田 潤, 相馬 大人, 弓場 健義, 根津 理一郎, 齋藤 徹 (大阪中央病院外科)
諸言:内痔核に対するALTA療法は、2005年に保険適応となって以降、外来で施行可能な低侵襲治療として広く普及している。その一方、再発は経時的に増加すると報告されている。再治療として痔核根治術が選択されることも多いものの、ALTA療法後の線維化などの影響で初回手術に比べて手術が困難であると予想される。しかし、それを検証した報告は少ない。今回、ALTA療法後の再発に対し,結紮切除術を中心とした痔核根治術を当科で施行した症例を検討した。
対象:2021年1月から2024年12月までの4年間に当科で同一術者による1カ所以上の結紮切除術を行った痔核根治術症例934例を検討した。うち、ALTA療法後の再発症例(以下ALTA群)は127例であった。その成績を同期間にALTA療法の既往がない痔核根治術症例807例(以下対照群)を対照として検討した。
結果:ALTA群の内訳は、男性85例、女性42例で年齢の平均は51.6歳、対照群の内訳は男性388例、女性419例で年齢の平均は51.7歳であった。ALTA群のうちALTA療法を施行された時期が判明している120例で最終のALTA療法から再発に対して痔核根治術を施行するまでの期間は中央値で48ヵ月(2-198ヵ月)であった。手術時間の平均はALTA群が20.4±7.7分、対照群が20.3±6.7分で両群間に差はなかった(p=0.868)。術中の出血量は平均値でALTA群が10.1±45.0 ml,対照群が5.2±11.1mlであり、両群間に差はなかった(p=0.223)。止血処置を要した術後出血はALTA群で5例(3.9%)、対照群で14例(1.7%)であり、両群間で有意差はなかったものの、ALTA群でやや多い傾向にあった(p=0.175)。術後の再発はALTA群で1例(0.8%)と対照群で2例(0.2%)認め、両群間で有意差はなかった(p=0.355)。
結語:ALTA療法後再発に対する痔核根治術は、止血処置を要する術後出血数がやや多い傾向にはあったものの、手術時間や術中出血量、再発率において対照群と差は認めず、安全に施行可能であった。
対象:2021年1月から2024年12月までの4年間に当科で同一術者による1カ所以上の結紮切除術を行った痔核根治術症例934例を検討した。うち、ALTA療法後の再発症例(以下ALTA群)は127例であった。その成績を同期間にALTA療法の既往がない痔核根治術症例807例(以下対照群)を対照として検討した。
結果:ALTA群の内訳は、男性85例、女性42例で年齢の平均は51.6歳、対照群の内訳は男性388例、女性419例で年齢の平均は51.7歳であった。ALTA群のうちALTA療法を施行された時期が判明している120例で最終のALTA療法から再発に対して痔核根治術を施行するまでの期間は中央値で48ヵ月(2-198ヵ月)であった。手術時間の平均はALTA群が20.4±7.7分、対照群が20.3±6.7分で両群間に差はなかった(p=0.868)。術中の出血量は平均値でALTA群が10.1±45.0 ml,対照群が5.2±11.1mlであり、両群間に差はなかった(p=0.223)。止血処置を要した術後出血はALTA群で5例(3.9%)、対照群で14例(1.7%)であり、両群間で有意差はなかったものの、ALTA群でやや多い傾向にあった(p=0.175)。術後の再発はALTA群で1例(0.8%)と対照群で2例(0.2%)認め、両群間で有意差はなかった(p=0.355)。
結語:ALTA療法後再発に対する痔核根治術は、止血処置を要する術後出血数がやや多い傾向にはあったものの、手術時間や術中出血量、再発率において対照群と差は認めず、安全に施行可能であった。