講演情報
[R4-3]腹腔鏡下直腸前方固定術+仙骨膣固定術(LVR+LSC)の手術成績
鈴木 優之1,2, 浜畑 幸弘1, 鈴木 綾1, 赤木 一成1 (1.辻仲病院柏の葉大腸肛門科, 2.前田病院)
【背景】直腸脱は高齢者に多い疾患であり,術式選択には患者因子,病態を考慮することが望まれる.直腸脱に対する経腹手術は,経肛門手術と比較し再発率が低いため,全身麻酔可能症例であれば,我々は経腹手術である腹腔鏡下直腸前方固定術(Laparoscopic Ventral Rectopexy: LVR)を第一選択としている.また直腸脱症例の約30%は他の骨盤臓器脱(POP)を合併するとされており,腹腔鏡下仙骨膣固定術(Laparoscopic Sacrocolpopexy: LSC)を同時施行することも多い.同じ術野で一期的治療が可能である点も経腹手術のメリットといえる.
【目的】LVRとLSCを一期的に施行した症例の手術成績を検討すること.
【方法】2020年1月から2024年5月の期間に,他のPOP合併直腸脱に対しLVR+LSCを施行した27例の患者背景,手術成績を検討した.また直腸脱再発例の手術経験から考察した手技の工夫についても検討した.
【結果】対象は27例(初発19例,再発9例).年齢と脱出腸管長はそれぞれ中央値で80歳,4.8cm.子宮付属器合併切除を同時施行した症例は18例であった.手術時間の中央値は183分,Clavien-Dindo分類 Grade II以上の術後合併症はなく,メッシュ関連合併症も認めなかった.術後在院日数,術後経過観察期間はそれぞれ中央値で4日,22か月であった.直腸脱の再発は3例(11.1%)に認めたが,他のPOPの再発はなかった.再発までの期間の中央値は9か月であった.再発例の3例はいずれもメッシュ固定が不十分であり,固定方法を改良した後は再発例を経験していない.
【結論】LVR+LSCの直腸脱についての手術成績を検討した.他のPOP合併直腸脱にも安全に一期的根治術が可能であった.
【目的】LVRとLSCを一期的に施行した症例の手術成績を検討すること.
【方法】2020年1月から2024年5月の期間に,他のPOP合併直腸脱に対しLVR+LSCを施行した27例の患者背景,手術成績を検討した.また直腸脱再発例の手術経験から考察した手技の工夫についても検討した.
【結果】対象は27例(初発19例,再発9例).年齢と脱出腸管長はそれぞれ中央値で80歳,4.8cm.子宮付属器合併切除を同時施行した症例は18例であった.手術時間の中央値は183分,Clavien-Dindo分類 Grade II以上の術後合併症はなく,メッシュ関連合併症も認めなかった.術後在院日数,術後経過観察期間はそれぞれ中央値で4日,22か月であった.直腸脱の再発は3例(11.1%)に認めたが,他のPOPの再発はなかった.再発までの期間の中央値は9か月であった.再発例の3例はいずれもメッシュ固定が不十分であり,固定方法を改良した後は再発例を経験していない.
【結論】LVR+LSCの直腸脱についての手術成績を検討した.他のPOP合併直腸脱にも安全に一期的根治術が可能であった.