講演情報
[VSY1-8]大腸内視鏡切除術後の遅発性穿孔に対する積極的な内視鏡治療の実施可能性について
丸山 優1, 竹内 洋司1, 都丸 翔太2, 古市 望1, 大島 啓一1, 糸井 祐貴1, 佐藤 圭吾1, 田中 寛人1, 保坂 浩子1, 栗林 志行1, 浦岡 俊夫1 (1.群馬大学医学部医学科消化器・肝臓内科学, 2.前橋赤十字病院消化器内科)
【背景】大腸内視鏡切除術後の遅発性穿孔は、外科手術が必要なことが多く、重篤な有害事象と考えられてきた。しかし内視鏡手技の進歩により、内視鏡処置によって緊急手術を回避できる可能性が示唆されている。
【方法】本研究は、2023年4月から2024年3月までに経験した遅発性穿孔の3症例を対象とした内視鏡治療の実施可能性についてのケースシリーズである。患者背景、手技に関連する因子、および転帰を診療録から抽出し、治療成績を評価した。
【結果】患者の年齢中央値は34歳(15?49歳)であり、うち2例が男性であった。手技は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が2例、浸水下内視鏡的粘膜切除術(UEMR)が1例であった。腫瘍径の中央値は27 mm(20?33 mm)であった。病変部位はS状結腸が2例、横行結腸が1例であった。内視鏡切除術後の遅発性穿孔までの時間の中央値は57時間(20?69時間)であった。全症例で内視鏡切除術中に明らかな穿孔はなく、遅発性穿孔に伴う激しい腹痛と腹部CT検査での遊離ガス像を認め、限局性の腹膜炎と判断した。全症例に対し、ミダゾラムとオピオイド鎮痛薬を用いた鎮静下での緊急大腸内視鏡検査を実施した。内視鏡で穿孔部位を確認できたのは2例であった。1例はクリップで穿孔部を閉鎖し、残りの2例はポリグリコール酸シートで穿孔部を被覆した。積極的な内視鏡治療後の食事再開までの中央値は9日(4?13日)であった。
【結論】大腸内視鏡切除術後の遅発性穿孔に対する積極的な内視鏡治療は、適切な患者選択ができれば実施可能性がある。
【方法】本研究は、2023年4月から2024年3月までに経験した遅発性穿孔の3症例を対象とした内視鏡治療の実施可能性についてのケースシリーズである。患者背景、手技に関連する因子、および転帰を診療録から抽出し、治療成績を評価した。
【結果】患者の年齢中央値は34歳(15?49歳)であり、うち2例が男性であった。手技は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が2例、浸水下内視鏡的粘膜切除術(UEMR)が1例であった。腫瘍径の中央値は27 mm(20?33 mm)であった。病変部位はS状結腸が2例、横行結腸が1例であった。内視鏡切除術後の遅発性穿孔までの時間の中央値は57時間(20?69時間)であった。全症例で内視鏡切除術中に明らかな穿孔はなく、遅発性穿孔に伴う激しい腹痛と腹部CT検査での遊離ガス像を認め、限局性の腹膜炎と判断した。全症例に対し、ミダゾラムとオピオイド鎮痛薬を用いた鎮静下での緊急大腸内視鏡検査を実施した。内視鏡で穿孔部位を確認できたのは2例であった。1例はクリップで穿孔部を閉鎖し、残りの2例はポリグリコール酸シートで穿孔部を被覆した。積極的な内視鏡治療後の食事再開までの中央値は9日(4?13日)であった。
【結論】大腸内視鏡切除術後の遅発性穿孔に対する積極的な内視鏡治療は、適切な患者選択ができれば実施可能性がある。