講演情報
[VSY2-1]当科のロボット支援大腸切除術の治療成績
塩見 明生, 眞部 祥一, 小嶋 忠浩, 笠井 俊輔, 田中 佑典, 井垣 尊弘, 森 千浩, 高嶋 祐助, 石黒 哲史, 坂井 義博, 谷田部 悠介, 辻尾 元, 横山 希生人, 八尾 健太, 小林 尚輝, 山本 祥馬 (静岡県立静岡がんセンター大腸外科)
【背景】当科では直腸癌に対して2011年12月から、結腸癌に対して2019年11月からロボット支援手術を導入し、現在は全大腸癌に対しロボット支援手術を第一選択としている。
【目的】当科で施行したロボット支援大腸手術の治療成績を明らかにし、術式の工夫や今後の展望について報告する。
【検討1:直腸癌】2011年12月から2024年12月まで原発性直腸癌に対してロボット支援手術を施行した症例を対象とし短期成績を検討。長期成績は2020年12月までの症例が対象。
【結果1:直腸癌】対象症例は1871例。術式は前方切除術/括約筋間直腸切除術/腹会陰式直腸切断術/ハルトマン手術=1468/162/218/23例。側方郭清施行は520例であった。手術時間中央値255分、出血量中央値5ml、開腹移行率0.1%。術後合併症Clavien-Dindo Grade II/III/IV=7.7/4.5/0%、縫合不全発生率3.8%、残尿50ml以上の排尿障害発生率4.1%、R1切除例15例(0.9%)。5年全生存率pStage I/II/III/IV=99.5/97.1/94.9/74.7%、5年無再発生存率pStage I/II/III=95.2/76.5/74.0%、5年局所再発率1.7%(観察期間中央値:60.6ヶ月)であった。
【検討2:結腸癌】2019年12月から2024年12月までに結腸癌に対してロボット手術を施行した症例を対象。
【結果2:結腸癌】対象症例は562例。術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術/結腸左半切除術・左結腸切除術/S状結腸切除/結腸亜全摘=116/203/50/67/125/1例。手術時間中央値は195分、出血量中央値は0ml、開腹移行率は0.5%、術後合併症発生率はClavien-Dindo分類 Grade II/III/IV =4.5/0.6/0%、全例でR0切除が達成された。
【当科の特徴・工夫】操作精度向上のため、ポート配置やロボットアーム配置を最適化し、使用デバイスまで含めてグループ内で定型化している。術者育成を重要課題と捉え、日本内視鏡外科学会技術認定医・プロクター資格取得を積極的に支援している。
【コスト面と課題】ロボット支援手術に伴うコストの増加は依然として課題であり、デバイスの選択や手術時間の短縮を通じた医療資源の最適化に努めている。
【結語】当科における治療成績および工夫を提示し、今後の課題と展望について論じる。
【目的】当科で施行したロボット支援大腸手術の治療成績を明らかにし、術式の工夫や今後の展望について報告する。
【検討1:直腸癌】2011年12月から2024年12月まで原発性直腸癌に対してロボット支援手術を施行した症例を対象とし短期成績を検討。長期成績は2020年12月までの症例が対象。
【結果1:直腸癌】対象症例は1871例。術式は前方切除術/括約筋間直腸切除術/腹会陰式直腸切断術/ハルトマン手術=1468/162/218/23例。側方郭清施行は520例であった。手術時間中央値255分、出血量中央値5ml、開腹移行率0.1%。術後合併症Clavien-Dindo Grade II/III/IV=7.7/4.5/0%、縫合不全発生率3.8%、残尿50ml以上の排尿障害発生率4.1%、R1切除例15例(0.9%)。5年全生存率pStage I/II/III/IV=99.5/97.1/94.9/74.7%、5年無再発生存率pStage I/II/III=95.2/76.5/74.0%、5年局所再発率1.7%(観察期間中央値:60.6ヶ月)であった。
【検討2:結腸癌】2019年12月から2024年12月までに結腸癌に対してロボット手術を施行した症例を対象。
【結果2:結腸癌】対象症例は562例。術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術/結腸左半切除術・左結腸切除術/S状結腸切除/結腸亜全摘=116/203/50/67/125/1例。手術時間中央値は195分、出血量中央値は0ml、開腹移行率は0.5%、術後合併症発生率はClavien-Dindo分類 Grade II/III/IV =4.5/0.6/0%、全例でR0切除が達成された。
【当科の特徴・工夫】操作精度向上のため、ポート配置やロボットアーム配置を最適化し、使用デバイスまで含めてグループ内で定型化している。術者育成を重要課題と捉え、日本内視鏡外科学会技術認定医・プロクター資格取得を積極的に支援している。
【コスト面と課題】ロボット支援手術に伴うコストの増加は依然として課題であり、デバイスの選択や手術時間の短縮を通じた医療資源の最適化に努めている。
【結語】当科における治療成績および工夫を提示し、今後の課題と展望について論じる。