講演情報

[VSY2-7]daVinci SP, daVinciXi 2台体制でのロボット支援大腸切除の現況と展望

内間 恭武, 鹿川 大二郎, 田中 裕人 (中部徳洲会病院消化器外科)
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当院では2022年12月よりda Vinci Xiを用いたロボット支援大腸癌手術を導入し、2023年に89例、2024年には102例と症例数を順調に伸ばしている。さらに2025年1月にはda Vinci SPを導入し、2台体制での運用を開始。2025年は4か月間で39例を施行し、順調に症例を積み重ねている。
現在、結腸癌および直腸癌の両方を適応とし、結腸癌に対する体腔内吻合や、直腸癌に対する側方郭清、骨盤内臓全摘などのアドバンス症例にもロボット支援手術を積極的に導入している。直腸Rb癌に対しては、経肛門的全直腸間膜切除(TaTME)を併用する症例も多い。
da Vinci Xiは5名のコンソールサージャン体制で、若手(外科専攻医)に対してはデュアルコンソールによる指導を行い、積極的に執刀機会を提供している。一方、da Vinci SPは現時点ではソロサージャリーの要素が強いため、日本内視鏡外科学会認定のロボットプロクターをオペレーターの基準としている。
SPによる大腸癌手術では、アクセスポートに12mmポートを1本追加し、助手による展開や、アーティキュレーション可能なエネルギーデバイスを用いたシーリング、クリップの操作、着脱腸鉗子、縫合器などの補助などを行っている。手術時間についてもXiと大きな差はなく、ターゲット部位の再設定が不要なため、盲腸癌・S状結腸癌・直腸癌の重複癌例にもストレスなく対応できている。
今後は、da Vinci SP手術データの解析、ロボット手術教育体制の整備、外科医のリクルート活動、症例増加に向けた広報戦略など、多角的な観点からの取り組みを展望している。