講演情報
[VSY3-6]当院で行っている痔核結紮切除術ースリットの入った筒形肛門鏡と開肛器の利用
河野 洋一, 宮島 伸宜, 岡本 康介, 下島 裕寛, 松村 奈緒美, 紅谷 鮎美, 酒井 悠, 松島 小百合, 小菅 経子, 鈴木 佳透, 米本 昇平, 佐井 佳世, 宋 江楓, 國場 幸均, 黒水 丈次, 松島 誠 (松島病院大腸肛門病センター)
痔核結紮切除術を行う際に、切除するデザインと視野確保が重要である。隅越式等の開肛器では、他の痔核等が視野の妨げになりデザインが難しい場合や、口側の視野確保が困難の場合があり、当院では、スリットの入った筒型肛門鏡の改良型(肛門鏡 横浜 MODEL)を利用している。痔核を過不足なく切除し、かつ狭窄を来さないように、痔核を鑷子で挟み込み切除量を決定する。切除後の縫合部が哆開すると術後出血の原因となるので縫合部に緊張がかからないようにデザインする。当院で2024年1月から12月までの1年間で痔核結紮切除術を1759例施行した。術後狭窄を来した症例は1例もなかった。術後出血は35例で、腰椎麻酔下等で止血術を行った。手術当日から翌々日までの出血が11例あり、これを除くと術後出血までの期間は平均10.0日であった。出血例は男性24例、女性11例で男性が多かった。出血例患者の年齢や肥満度には差が無かった。肛門手術歴のある患者が5例あった。抗血栓剤服用は、バイアスピリン継続は2例であった。エドキサバントシル(リクシアナ)術後再開が2例であった。術者別の出血率は0%から12.2%と差が見られた。出血した症例で使用された縫合糸の種類は有意差がなかった。その他の合併症は、創部感染が1例、再脱出が1例だった。当院で行っている痔核結紮切除術をビデオで供覧する。