講演情報

[VWS1-6]当センターにおけるロボット支援手術での技術認定審査合格までの取り組み

橋本 雅弘, 西沢 佑次郎, 加藤 伸弥, 森本 祥悠, 畑 泰司, 明石 大輝, 進藤 美希, 横内 隆, 広田 将司, 古川 健太, 宮﨑 安弘, 友國 晃, 本告 正明, 藤谷 和正 (大阪急性期総合医療センター消化器外科)
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【背景】内視鏡技術認定制度は、消化器外科専門医取得後の若手医師にとって目指すべき目標であるとともに、消化器・一般外科領域の合格率は30%程度であり、大きな関門である。2023年度からはロボット支援下手術も審査対象となった。演者は、2024年6月中旬に術者certificateを取得し、下記の取り組みを行い、2024年度試験においてロボット支援手術(大腸)で合格した。
【取り組み】 当センターでは全症例ロボット支援下手術を第一選択としており、大腸癌に対して年間200例以上のロボット支援大腸切除術を施行している。5人のスタッフと2人のレジデント(ローテーション)による診療体制で手術を行っており、スタッフは、2人がプロクター、3人が内視鏡技術認定未習得であった。そこで、2024年度より、①シミュレーターを用いたトレーニングの徹底、②定型化の流れをチームで共有、③プロクター指導の下、ビデオカンファレンスで当日または翌日に振り返り、以上の3点に重点を置き、ロボット支援手術での技術認定取得を目指して取り組んできた。
【方法】ビデオ撮り期間として2024年6月~9月末にロボット支援S状結腸切除・高位前方切除術を執刀した10例(提出ビデオ 6例目)の手術時間、IMA処理時間(腹膜切開開始からIMA切離まで)、腸間膜処理(腹膜切開開始から腸管クリップまで)について評価した。
【結果】手術時間中央値159分(138-184)、IMA根部処理中央値20分(14-32)、腸間膜処理中央値10分(7-20)であった。5例ずつで前半・後半の2群間で比較したところ、IMA根部処理時間は有意に短縮し、手術時間も短縮する傾向を認めた(p=0.018, 0.093)。
【結語】当センターにおける定型化とその取り組みは、手術時間短縮に寄与していた。約3ヶ月と限られたビデオ撮り期間・症例の中で合格へと繋がった当センターの取り組みについて実際の手術動画を供覧しながら説明する。