講演情報
[WS1-1]大腸CT検査のAI診断の可能性
遠藤 俊吾1, 永田 浩一2, 歌野 健一3, 野津 聡4, 安田 貴明5, 高林 健6, 平山 眞章7, 冨樫 一智1, 大平 弘正2 (1.福島県立医科大学会津医療センター小腸大腸肛門科, 2.福島県立医科大学消化器内科, 3.福島県立医科大学会津医療センター放射線科, 4.埼玉県立がんセンター放射線科, 5.長崎県上五島病院放射線科, 6.斗南病院放射線科, 7.斗南病院消化器内科)
【目的】近年の画像診断にdeep learningを用いた人工知能(AI)アルゴリズムが広まりつつある。CT Colonography(大腸CT検査)は、大腸病変の診断に有用な手段として認識されているが、その診断に関して医師の負担は少なくない。本研究では大腸CT検査画像におけるAIアルゴリズムによる腫瘍性病変の検出感度を検討した。
【方法】過去の大腸CT検査の精度検証の2つの研究と、4つの施設から集積した同時期に大腸CT検査と大腸内視鏡検査を行った患者を対象とした。内視鏡所見の病変の位置と大きさを参照して、大腸CTでの検出感度を算出した。病変はすべて癌、または腺腫であった。CT検査の画像は1体位を1シリーズとして、仰臥位と腹臥位で得られた画像は2シリーズとして集計した。集積した画像と病変データは、AIの学習用・内部検証用453名(843シリーズ)と外部検証用137名(274シリーズ)のデータセットを含む大規模データベースを作成した。本研究では、高速なR-CNNsをベースに設計したニューラルネットワークを用いた。病変は6mm以上、6~10mm、10mm以上に分けて、FROC(free-response receiver operating characteristic)解析を用いて感度を求め、感度比較はMcNemar検定を用いた。
【結果】感度に関する記載は1画像当たりの偽陽性3個の場合の感度を記載した。内部検証では、1体位での病変の感度はそれぞれ6mm以上:0.815、6~10mm:0.738、10mm以上:0.883であった。2施設から得られた外部検証データでは、1体位毎の各病変カテゴリーにおいて、それぞれ0.704、0.575、0.760と0.705、0.571、0.777という結果であった。外部検証データを用いて2つの体位を組み合わせて感度を算出すると、背臥位、あるいは腹臥位での感度と比較して、有意に高値であった。
【結論】大腸CT検査のAIを用いた画像診断において、2つの体位を統合・解析することで、感度は向上した。本研究で用いたdeep learningを用いたAIアルゴリズムは、トレーニング用データを増やすことで、より高い検出感度を実現できる可能性がある。今後は放射線科医の読影とAIによる補助診断を組み合わせた精度検証を行うことで、大腸CT検査読影の負担軽減が可能になると考える。
【方法】過去の大腸CT検査の精度検証の2つの研究と、4つの施設から集積した同時期に大腸CT検査と大腸内視鏡検査を行った患者を対象とした。内視鏡所見の病変の位置と大きさを参照して、大腸CTでの検出感度を算出した。病変はすべて癌、または腺腫であった。CT検査の画像は1体位を1シリーズとして、仰臥位と腹臥位で得られた画像は2シリーズとして集計した。集積した画像と病変データは、AIの学習用・内部検証用453名(843シリーズ)と外部検証用137名(274シリーズ)のデータセットを含む大規模データベースを作成した。本研究では、高速なR-CNNsをベースに設計したニューラルネットワークを用いた。病変は6mm以上、6~10mm、10mm以上に分けて、FROC(free-response receiver operating characteristic)解析を用いて感度を求め、感度比較はMcNemar検定を用いた。
【結果】感度に関する記載は1画像当たりの偽陽性3個の場合の感度を記載した。内部検証では、1体位での病変の感度はそれぞれ6mm以上:0.815、6~10mm:0.738、10mm以上:0.883であった。2施設から得られた外部検証データでは、1体位毎の各病変カテゴリーにおいて、それぞれ0.704、0.575、0.760と0.705、0.571、0.777という結果であった。外部検証データを用いて2つの体位を組み合わせて感度を算出すると、背臥位、あるいは腹臥位での感度と比較して、有意に高値であった。
【結論】大腸CT検査のAIを用いた画像診断において、2つの体位を統合・解析することで、感度は向上した。本研究で用いたdeep learningを用いたAIアルゴリズムは、トレーニング用データを増やすことで、より高い検出感度を実現できる可能性がある。今後は放射線科医の読影とAIによる補助診断を組み合わせた精度検証を行うことで、大腸CT検査読影の負担軽減が可能になると考える。