講演情報
[WS3-2]Stoma outlet obstructionを予防する新たな戦略~end-ileostomy造設の実際と短期成績
髙橋 広城1, 藤井 善章3, 山本 誠也1, 山本 真也1, 齋藤 正樹1, 植松 宏1, 牛込 創2, 鈴木 卓弥2, 安藤 菜奈子1, 大久保 友貴1, 前田 祐三1, 山川 雄士2, 三井 章1, 瀧口 修司2 (1.名古屋市立大学医学部附属西部医療センター消化器外科, 2.名古屋市立大学病院消化器一般外科, 3.刈谷豊田総合病院消化器外科)
(はじめに)Stoma outlet obstruction (SOO)は直腸手術時に造設されるloop-ileostomy (LI)において比較的多く発生する早期術後合併症であり、その対策が急務である。
(目的)我々はSOOを減少させるために新たな手術技術であるend-ileostomy (EI)を考案し、症例を積み重ねてきた。本研究では、EI造設の手術手技とそのSOOへの影響について検討する。
(方法)2018年から2022年の間に名古屋市立大学病院で低位前方切除術または大腸全摘術を施行した症例のうち、一時的回腸人工肛門造設術が施行された78症例を後ろ向きに検討した。EIの手術手技は以下の通りである。まず、バウヒン弁から約30cmの位置でLinea staplerを使用して回腸を切離する。その後、口側と肛門側の回腸の高さを適切に調整した後に腸間膜の対側どうしを縫合し、口側回腸を用いてEIを造設する。EIかLIかは主治医の判断で決定した。SOOの独立したリスク因子を統計学的に評価した。
(結果)EIとLIはそれぞれ34人と44人に施行されていた。SOOは12人(15.3%)に発生していた。EI群では1人(2.9%)、LI群では11人(25%)であり有意差をもってLI群に多かった(p = 0.004)。SOO群とnon-SOO群を比較したところ多変量解析によりLIがSOOの独立したリスク因子であることが判明した(p = 0.037)。
(結語)EIは、直腸手術時の一時的回腸ストーマにおけるSOOの発生率を減少させる有用で安全な手法であることが示された。
(目的)我々はSOOを減少させるために新たな手術技術であるend-ileostomy (EI)を考案し、症例を積み重ねてきた。本研究では、EI造設の手術手技とそのSOOへの影響について検討する。
(方法)2018年から2022年の間に名古屋市立大学病院で低位前方切除術または大腸全摘術を施行した症例のうち、一時的回腸人工肛門造設術が施行された78症例を後ろ向きに検討した。EIの手術手技は以下の通りである。まず、バウヒン弁から約30cmの位置でLinea staplerを使用して回腸を切離する。その後、口側と肛門側の回腸の高さを適切に調整した後に腸間膜の対側どうしを縫合し、口側回腸を用いてEIを造設する。EIかLIかは主治医の判断で決定した。SOOの独立したリスク因子を統計学的に評価した。
(結果)EIとLIはそれぞれ34人と44人に施行されていた。SOOは12人(15.3%)に発生していた。EI群では1人(2.9%)、LI群では11人(25%)であり有意差をもってLI群に多かった(p = 0.004)。SOO群とnon-SOO群を比較したところ多変量解析によりLIがSOOの独立したリスク因子であることが判明した(p = 0.037)。
(結語)EIは、直腸手術時の一時的回腸ストーマにおけるSOOの発生率を減少させる有用で安全な手法であることが示された。