講演情報
[WS4-7]若年者痔瘻のマネジメントについての検討
近藤 哲1, 太田 章比古1, 家田 純郎1, 福原 政作2, 青野 景也1, 長谷川 信吾1, 宮田 美智也1 (1.家田病院, 2.ふくはら大腸肛門外科・消化器内科)
【目的】若年者痔瘻のマネジメントについて明らかにする。
【方法】2017年4月から2021年3月までの間に、当院を受診し痔瘻と診断した患者のうち、20歳以下の179例(男性 165例、女性 14例)を対象とし、診断、治療成績を検討した。
【結果】痔瘻の診断後、大腸内視鏡検査を施行した患者は150例(83.8%)で、クローン病と診断した患者は52例(29.1%)であった。2019年3月までの61例を前期群、それ以降の118例を後期群として比較すると、大腸内視鏡検査の施行率は前期群で62.3%、後期群で94.9%と、後期群で有意に高頻度であった(p<0.05)。また、クローン病は前期群で21.3%、後期群で33.1%と、後期群で多い傾向にあった(p=0.07)。18歳未満の94例と18歳以上の85例を比較すると、クローン病はそれぞれ33.0%、24.7%で、18歳未満で多かったが、統計学的な有意差はみられなかった(p=0.25)。クローン病を除いた127例のうち、根治術を施行したのは91例(71.6%)で、18歳未満と18歳以上を比較すると、それぞれ56.1%、81.8%で、18歳未満での施行率が有意に低かった(p<0.05)。根治術を行っていない理由は、18歳未満の半数以上が医師判断による経過観察で、18歳以上では患者都合がほとんどを占めた。根治術後にクローン病と診断されたのは1例で、術後経過は問題なかったが、2年後に腹部症状が出現した。
【結語】20歳以下で痔瘻と診断された患者のうち、約3割がクローン病であった。当院では近年、痔瘻診断後の大腸内視鏡検査を積極的に施行しており、クローン病と診断する症例も増加している。
【方法】2017年4月から2021年3月までの間に、当院を受診し痔瘻と診断した患者のうち、20歳以下の179例(男性 165例、女性 14例)を対象とし、診断、治療成績を検討した。
【結果】痔瘻の診断後、大腸内視鏡検査を施行した患者は150例(83.8%)で、クローン病と診断した患者は52例(29.1%)であった。2019年3月までの61例を前期群、それ以降の118例を後期群として比較すると、大腸内視鏡検査の施行率は前期群で62.3%、後期群で94.9%と、後期群で有意に高頻度であった(p<0.05)。また、クローン病は前期群で21.3%、後期群で33.1%と、後期群で多い傾向にあった(p=0.07)。18歳未満の94例と18歳以上の85例を比較すると、クローン病はそれぞれ33.0%、24.7%で、18歳未満で多かったが、統計学的な有意差はみられなかった(p=0.25)。クローン病を除いた127例のうち、根治術を施行したのは91例(71.6%)で、18歳未満と18歳以上を比較すると、それぞれ56.1%、81.8%で、18歳未満での施行率が有意に低かった(p<0.05)。根治術を行っていない理由は、18歳未満の半数以上が医師判断による経過観察で、18歳以上では患者都合がほとんどを占めた。根治術後にクローン病と診断されたのは1例で、術後経過は問題なかったが、2年後に腹部症状が出現した。
【結語】20歳以下で痔瘻と診断された患者のうち、約3割がクローン病であった。当院では近年、痔瘻診断後の大腸内視鏡検査を積極的に施行しており、クローン病と診断する症例も増加している。