講演情報
[WS5-2]広島臨床腫瘍外科研究グループにおける大腸癌データベースの運用と実際
石川 聖1, 下村 学1, 矢野 琢也1, 奥田 浩1, 田口 和浩1, 清水 亘2, 吉満 政義3, 池田 聡4, 中原 雅浩5, 香山 茂平6, 小林 弘典7, 清水 洋祐8, 河内 雅年9, 住谷 大輔10, 向井 正一朗11, 高倉 有二12, 石﨑 康代13, 児玉 真也14, 安達 智洋2, 大段 秀樹1 (1.広島大学病院消化器・移植外科, 2.地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立北部医療センター安佐市民病院, 3.地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院, 4.県立広島病院, 5.全国厚生農業協同組合連合会尾道総合病院, 6.全国厚生農業協同組合連合会広島総合病院, 7.国家公務員共済組合連合会広島記念病院, 8.独立行政法人国立病院機構呉医療センター中国がんセンター, 9.独立行政法人国立病院機構東広島医療センター, 10.地方独立行政法人広島県立病院機構県立二葉の里病院, 11.独立行政法人労働者健康安全機構中国労災病院, 12.中国電力株式会社中電病院, 13.独立行政法人国立病院機構広島西医療センター, 14.全国厚生農業協同組合連合会吉田総合病院, 15.一般社団法人呉市医師会呉市医師会病院)
広島大学関連病院では2012年より広島臨床腫瘍外科研究グループ(HiSCO)を設立し、2017年より大腸癌共用データベースを運用してきた。目的は、単施設における後ろ向き研究での症例数不足を解消し、患者群・治療内容の偏りを均質化することで、よりリアルワールドに即したデータを集積し有益な結果を導くことである。
2016年7月に倫理審査委員会の承認を得て、2017年4月よりデータベースの運用を開始した。2017年から2019年までの症例については術後5年までの長期予後データの収集が完了し、年間約1500例、全4577例の大腸癌が集積された。参加各施設でテーマを決めて解析に取り組んでいる。
共同データベースを用いた後ろ向き研究として、直腸癌切除後の縫合不全予測因子の解析(Bekki T, Langenbecks Arch Surg. 2023)、平日手術の大腸癌切除後短期成績の関連(Imaoka K, J Surg Res. 2024)、術中出血量とStageI-III期大腸癌切除後局所再発の解析(Imaoka K, World J Surg. 2025)、pT3/4大腸癌における多臓器切除後の予後的意義の解析(Imaoka K, J Gastrointest Surg. 2025)をこれまでに報告してきた。
また、大腸癌術後surgical site infection(SSI)に関する後ろ向き研究を行い、Stage I-IIIの根治切除後大腸癌の解析で、臓器体腔SSIが大腸癌再発の危険因子の一つとなり、腹会陰式直腸切断術後の会陰創感染が大腸癌再発の危険因子となることを明らかとした。この結果は今後前向き観察研究を行うことを予定している。
このように多施設共同データベースを用いた後ろ向き解析を行うことで、クリニカルクエスチョンを解決するための新規臨床研究の開発が行い易い環境が構築されている。我々HiSCOグループの大腸癌におけるデータベース構築の現状について報告する。
2016年7月に倫理審査委員会の承認を得て、2017年4月よりデータベースの運用を開始した。2017年から2019年までの症例については術後5年までの長期予後データの収集が完了し、年間約1500例、全4577例の大腸癌が集積された。参加各施設でテーマを決めて解析に取り組んでいる。
共同データベースを用いた後ろ向き研究として、直腸癌切除後の縫合不全予測因子の解析(Bekki T, Langenbecks Arch Surg. 2023)、平日手術の大腸癌切除後短期成績の関連(Imaoka K, J Surg Res. 2024)、術中出血量とStageI-III期大腸癌切除後局所再発の解析(Imaoka K, World J Surg. 2025)、pT3/4大腸癌における多臓器切除後の予後的意義の解析(Imaoka K, J Gastrointest Surg. 2025)をこれまでに報告してきた。
また、大腸癌術後surgical site infection(SSI)に関する後ろ向き研究を行い、Stage I-IIIの根治切除後大腸癌の解析で、臓器体腔SSIが大腸癌再発の危険因子の一つとなり、腹会陰式直腸切断術後の会陰創感染が大腸癌再発の危険因子となることを明らかとした。この結果は今後前向き観察研究を行うことを予定している。
このように多施設共同データベースを用いた後ろ向き解析を行うことで、クリニカルクエスチョンを解決するための新規臨床研究の開発が行い易い環境が構築されている。我々HiSCOグループの大腸癌におけるデータベース構築の現状について報告する。